
2025年12月期(一部の日本企業は26年3月期、豪CSLは25年6月期)の世界売上高100億ドル超の製薬会社26社の業績を集計したところ、スイス・ロシュが3年連続で首位となりました。2位は米イーライリリーで、糖尿病・肥満症治療薬のGLP-1受容体作動薬の急成長によって前年9位からジャンプアップ。3位は前年2位の米メルクでした。
リリー、前期比44.7%の増収
ロシュの売上高は742億5000万ドル(前年比1.7%増)。多発性硬化症治療薬「オクレバス」(85億ドル、9%増)や血友病治療薬「ヘムライブラ」(57億ドル、11%増)など主力品が好調で、「アバスチン」「ハーセプチン」などの特許切れの影響をカバーしました。
2位のリリーは、売上高651億7900万ドル。2型糖尿病治療薬「マンジャロ」(230億ドル、99%増)、肥満症治療薬「ゼップバウンド」(135億ドル、175%増)が大きく売り上げを伸ばし、44.7%の増収となりました。
3位は650億1100万ドル(1.3%増)の米メルク。最主力品の抗がん剤「キイトルーダ」は317億ドル(7%増)を売り上げました。4位の米ファイザーは前年比1.6%減の625億7900万ドル。新型コロナウイルスワクチン・治療薬を除けば6%の増収で、抗凝固薬「エリキュース」(80億ドル、8%増)をはじめとする主力製品は堅調でした。
5位は米アッヴィで、売上高は611億6000万ドル(8.6%増)。主力の乾癬治療薬「スキリージ」が176億ドル(49.9%増)と好調でした。6位の米ジョンソン・エンド・ジョンソン(医薬)も主力の多発性骨髄腫治療薬「ダラザレックス」が144億ドル(23.0%増)を売り上げました。

アステラスと第一三共はそれぞれ2ランクアップ
9位のサノフィはアトピー性皮膚炎などの治療薬「デュピクセント」が好調で1ランクアップ。一方、米ブリストル・マイヤーズスクイブは、エリキュースや抗がん剤「オプジーボ」が伸びたものの、成熟製品の減収が響いて0.2%の減収。順位を2つ落としました。
11位のデンマーク・ノボノルディスクから17位の独バイエルまでは前年と同じ並びとなりました。ノボは同一成分の糖尿病治療薬「オゼンピック」と肥満症治療薬「ウゴービ」で計311億ドル(15%増)を販売。14位の武田薬品工業は、主力の炎症性腸疾患治療薬「エンタイビオ」が67億ドル(4.8%増)を売り上げたものの、ADHD治療薬「ビバンセ」の後発品の影響などがあり1.7%の減収でした。
日本企業ではこのほか、大塚ホールディングス(HD)がイスラエル・テバを抜いて18位にランクイン。アステラス製薬(21位)と第一三共(22位)は2桁増収でそれぞれ2つ順位を上げました。一方、3%の減収となった米ヴィアトリスと、眼科用VEGF阻害薬「アイリーア」の販売減が響く米リジェネロン・ファーマシューティカルズは順位を落としました。
研究開発費、100億ドル超は7社
研究開発費も1位はロシュ。前年から12.8%減少したものの、161億1600万ドルを投じました。2位のメルクは157億8900万ドル。事業開発に伴う費用が減少したことで前年からは12.0%減となりました。
3位は142億3200万ドル(4.8%増)の英アストラゼネカで、133億3700万ドルのリリーが4位。このほか、J&J、スイス・ノバルティス、ファイザーが100億ドル以上を投じました。一方、前年100億ドル以上を投資したブリストルとアッヴィは、減損損失額の減少などで90億ドル台に収まりました。

売上高に対する比率が20%を超えたのは、リジェネロン(40.8%)と米バーテックス・ファーマシューティカルズ(32.6%)、メルク(24.3%)、アストラゼネカ(24.2%)など10社。日本企業では第一三共が22%を投じました。
26年はリリーが800億ドル超で首位の見込み
各社の業績ガイダンスによると、2026年はリリーが売上高世界一となる見通し。GLP-1製剤の成長が加速し、820~850億ドルまで売り上げが拡大すると予想しています。ロシュとメルクは1桁台の増収を予想。一方、ファイザーは595~625億ドルと、横ばいから5%の減少を想定。成熟製品の特許切れなどで約15億ドルのマイナス影響を見込んでいます。
5位以下も多くの企業が増収を見込むなか、減収を予想するのはノボ(4~12%減)とブリストル(1~5%減)、バイエル(1~4%減)、イスラエル・テバ(3~5%減)。ノボは米国での価格引き下げの影響や特許切れ、ブリストルは成熟製品の減収を織り込んでいます。
全26社の詳細なランキング
売上高、研究開発費に加え、純利益を含めた全26社の詳細なランキングはこちらです。利益は26社中13社が2桁以上の増益となりました。中でも、前年に買収関連費用を計上した米ギリアド(1672.9%増)や1800億円を超える減損損失を計上したアステラス(474.5%増)は反動で大幅な増益となっています。

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