
(写真:ロイター)
2026年4月に米FDA(食品医薬品局)が承認した主な新薬と適応拡大を、領域別にまとめました。
【新薬】1日1回投与HIV治療薬「Idvynso」など

代謝
Foundayo|米イーライリリー
「Foundayo」(一般名・orforglipron)は、肥満または体重に関連する健康問題を抱える過体重の成人に対する治療薬。中外製薬が創製した経口GLP-1受容体作動薬で、飲食・飲水の制限なくいつでも服用できるのが特徴です。臨床試験では、最高用量を服用した成人患者で平均12.4%の体重減少を示しました。日本でも肥満症の適応でリリーが申請中です。
感染症
Idvynso|米メルク
1日1回投与のHIV-1感染症治療薬「Idvynso」は、転座阻害などの複数の作用機序を持つヌクレオシド系逆転写酵素トランスロケーション阻害薬islatravirと、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬doravirineの配合剤。対象は、抗レトロウイルス療法を受けており、ウイルス学的治療失敗歴やdoravirine耐性関連変異のない患者です。islatravirはヤマサ醤油とのライセンス契約に基づいて開発されました。日本では今年3月に承認されています。
その他
Otarmeni|米リジェネロン
「Otarmeni」(lunsotogene parvec)はアデノ随伴ウイルスベクターベースの遺伝子治療薬で、重度から極重度のOTOF関連感音性難聴に対する治療薬として迅速承認を取得。OTOF関連難聴は、OTOF遺伝子の変異により内耳と聴神経の情報伝達に不可欠なオトフェルリンタンパク質が機能しなくなる疾患です。患者20人を組み入れた臨床試験では、参加者の80%が24週時点で主要評価項目を満たす聴力レベルを達成し、長期の追跡調査では42%がささやき声を含む正常な聴力を達成したことが確認されました。
【適応拡大】Breztriの喘息維持療法など

がん
Xpovio|米カリオファーム
核外輸送タンパク質阻害薬「Xpovio」(selinexor)は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の適応を取り下げました。同適応では20年に迅速承認を取得していました。
Tecartus|米カイトファーマ
抗CD19 CAR-T細胞療法「Tecartus」(brexucabtagene autoleucel)は、再発性・難治性のマントル細胞リンパ腫の適応で完全承認を取得しました。同適応では20年にP2試験の結果をもとに迅速承認を取得。86人を組み入れた同試験の新たなコホートで高い奏効率と持続的な有効性が確認されました。日本ではP2試験を行っています。
精神
Auvelity|米アクサム
「Auvelity」は、アルツハイマー型認知症に伴うアジテーションに適応拡大しました。同薬は抗うつ薬bupropionとNMDA受容体拮抗薬dextromethorphanの徐放性配合錠で、22年に大うつ病治療薬として承認。アルツハイマー型認知症に伴うアジテーションの適応では、プラセボと比べて有意に症状を改善した2つのP3試験の結果をもとに承認されました。アジテーションはアルツハイマー病患者の最大76%に見られる症状です。
代謝・腎
Filspari|米トラベール・セラピューティクス
エンドセリン受容体/アンジオテンシンII受容体に対する二重拮抗薬「Filspari」(sparsentan)は、「ネフローゼ症候群を伴わない巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)患者のタンパク尿の軽減」に適応拡大しました。FSGSに対する治療薬は米国初。ARBのirbesartanを対照群とするP3試験の結果をもとに承認されました。同薬は米国で23年にIgA腎症治療薬として迅速承認。日本では同疾患を対象にP3試験が行われています。
Tzield|仏サノフィ
ステージ2の1型糖尿病の治療薬「Tzield」(teplizumab)は、1~8歳の小児に対象を拡大しました。同薬は抗CD3抗体で、自己反応性T細胞の活性を抑制し、膵β細胞の破壊を遅らせることで、インスリン療法が必要になるステージ3への進行を遅延させると考えられています。日本でもP2試験が進行中です。
消化器
Stelara|米ヤンセン
抗IL-12/23p40抗体「Stelara」(ustekinumab)は、中等度から重度の活動性クローン病の適応で2歳以上の小児に対象を拡大。日本でも小児対象のP3試験が行われています。
皮膚
Dupixent|米リジェネロン
抗IL-4/13受容体抗体「Dupixent」(dupilumab)は、慢性特発性蕁麻疹の適応で2~11歳の小児に対象を拡大しました。抗ヒスタミン薬による治療を受けているにもかかわらず症状が持続する患者に使用されます。慢性特発性蕁麻疹の適応では、成人を対象に日本で24年、米国で25年に承認されています。
呼吸器
Breztri Aerosphere|英アストラゼネカ
COPD治療薬「Breztri Aerosphere」は、喘息の維持療法に適応拡大しました。同薬は、吸入ステロイドbudesonideと長時間作用型β2刺激薬(LABA)formoterol、長時間作用型ムスカリン受容体拮抗薬(LAMA)glycopyrrolateを組み合わせた吸入薬。2剤併用療法を対照とするP3試験の結果をもとに承認されました。日本や欧州でも喘息への適応拡大を申請中です。budesonideとformoterolの配合剤「Symbicort」のAerosphere製剤も喘息に適応拡大しました。
その他
Cosentyx|スイス・ノバルティス
抗IL-17A抗体「Cosentyx」(secukinumab)は、活動性の強直性脊椎炎の適応で12歳以上の小児に対象を拡大しました。
Asceniv|米ADMAバイオロジクス
免疫グロブリン製剤「Asceniv」は、原発性体液性免疫不全症の適応で2~11歳の小児に対象を拡大。従来は12歳以上が対象でした。
【バイオシミラー】米ラネットのinsulin glargine

Langlara|米ラネット
「Langlara」は、米国で3剤目となるインスリン製剤「Lantus」(insulin glargine)のバイオシミラー。提携先の中国のサンシャイン・レイク・ファーマが製造します。



