
主要製薬企業の国内の新薬開発パイプラインを、2026年7月21日時点で各社が公表している情報をもとに企業別・疾患領域別にまとめました。(昨年7月時点の「[定点観測]主要製薬企業 国内新薬開発パイプライン|疾患領域編」はこちら)
P3~申請のパイプライン数、10を超えたのは内資6社・外資14社
内資系製薬企業24社、外資系製薬企業18社を対象に、2026年7月21日時点で各社がホームページなどで公表しているパイプラインを疾患領域別にまとめました。
| 疾患領域は、▽がん▽呼吸器▽循環器・代謝・腎▽消化器▽皮膚▽骨・関節▽その他免疫・炎症▽精神・神経▽眼▽疼痛▽血液▽感染症・ワクチン▽その他――の13に分類。新医療用配合剤は新規有効成分としてカウントし、後発医薬品やバイオシミラーは除外しました。適応拡大には剤形追加が含まれます。なお、いつ時点の情報かは会社によって異なるため、承認・申請など直近のイベントが反映されていない場合があります。 |
集計対象42社のうち、臨床第3相(P3)試験から申請の段階にあるパイプライン(新規有効成分と適応拡大の合計)が10を超える企業は、内資系6社・外資系14社の計20社。昨年11月時点の集計と比較すると、アステラス製薬と日本ベーリンガーインゲルハイムが新たに加わりました。

P3~申請のパイプラインが最も多かったのはアストラゼネカで、新規有効成分40、適応拡大26の計66。新規有効成分でも最多です。2020年の集計開始以来、同社のパイプライン数は常にトップをキープしており、全体に占める新規有効成分の比率も年々高まっています。疾患領域では、がん領域が新規有効成分30、適応拡大18と全体の7割超を占めます。
2位はヤンセンファーマで新薬20、適応拡大24の計44。3位の日本イーライリリー(新薬26、適応拡大14)までがP3以降のパイプライン数が40以上です。ヤンセンはがん領域、リリーは循環器・代謝・腎領域が目立ちます。
内資系企業では、第一三共の計30(新薬6、適応拡大24)が最多。大部分ががん領域です。新規有効成分では武田薬品の13が内資系トップでした。
内資系企業24社の国内新薬開発パイプライン(疾患領域別)



内資系企業でP1~申請までの全パイプラインが最も多いのは第一三共。新規有効成分22、適応拡大34の計56のパイプラインを開発しています。このうち、主力の抗HER2抗体薬物複合体(ADC)「エンハーツ」をはじめとする「5DXd ADC」は計45まで拡大。パイプラインの大半を占めています。
第一三共の次は、計35で小野薬品工業(新規有効成分29、適応拡大6)と塩野義製薬(新規有効成分22、適応拡大13)が並びました。小野薬品は、がん領域(計14)に加えて精神・神経領域(計11)で自社創製品を拡充。パイプライン全体の新規有効成分では内資系トップです。塩野義製薬は鳥居薬品を含むJT(日本たばこ産業)の医薬事業を買収したことで昨年7月の集計から開発品目が10以上増加。皮膚領域などでパイプラインが広がりました。今後は、臨床試験の結果などを踏まえて開発の優先順位を付けていく方針です。
新規有効成分28、適応拡大4で計32のパイプラインを持つ大塚ホールディングス(HD)は、がん領域(計20)と精神・神経領域(計6)を中心に開発を進めています。がんは半数がP1段階です。
このほか、武田薬品が計26(新規有効成分20、適応拡大6)、アステラス製薬が計19(新規有効成分9、適応拡大10)のパイプラインを開発。10以上のパイプラインを持つのはこれら11社で、一方で5を下回った企業が8社ありました。
外資系企業18社の国内新薬開発パイプライン(疾患領域別)


外資系企業は内資系に比べて全体的にパイプラインが豊富で、18社中13社が30以上のパイプラインを抱えています。循環器・代謝・腎領域への注力が顕著なノボノルディスクファーマなどを除き、疾患領域もバラエティに富んでいます。
パイプライン数最多はアストラゼネカの計118(新規有効成分91、適応拡大27)。100を超えたのは同社のみです。がん領域(計77)に注力するほか、循環器・代謝・腎領域(計21)のパイプラインも潤沢です。
アストラゼネカに加え、日本イーライリリー(計57)、ヤンセンファーマ(計56)、アッヴィ(計53)、ファイザー(計53)、中外製薬(計52)、GSK(計50)の7社が50以上のパイプラインを開発しています。好業績を背景に研究開発投資を強めるリリーは前年から20以上増え、過去最多となりました。各社ともがん領域に2桁のパイプラインを持ち、ファイザーとGSKは半分以上をがんが占めます。リリーは循環器・代謝・腎領域、ヤンセンとアッヴィは消化器や皮膚といった領域で免疫疾患の開発が目立ちます。
外資系18社のなかでパイプライン数が10を下回ったのはバイエル薬品のみ。同社パイプラインの半数が循環器・代謝・腎領域です。
AnswersNews編集部が製薬企業をレポート
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