
サンドのリチャード・セイナーCEO(ロイター)
[ロンドン ロイター]スイスの後発医薬品大手サンドは、2035年までに年間純売上高を2倍以上に拡大させることを目指している。バイオシミラーの品目数を大幅に拡充する計画で、同年の売上高の半分以上をバイオシミラーが占める見通しだという。9月8日に開いた株式市場向けのイベントで明らかにした。
バイオシミラーのポートフォリオは、現在の13品目から40年までに100品目へと拡大する方針。25年から30年にかけて、為替変動の影響を除いた連結年間純売上高で1桁台半ばから後半の成長を目指すとした。28年までに1桁台半ばの売り上げ成長を目指すとの目標も改めて表明した。
向こう10年で6500億ドル相当の特許切れ
現在は売上高の大部分を後発品が占めている。ただ、バイオ医薬品の特許切れが相次ぐなか、バイオシミラーにとって「黄金の10年」が訪れていると同社はアピールしている。
リチャード・セイナーCEO(最高経営責任者)は今年初め、向こう10年間で世界の製薬企業が販売するブランド薬のうち6500億ドル相当が特許切れを迎えるとの見通しを明らかにしていた。
同社は、25~35年の純売上高目標には、糖尿病・肥満症薬として人気の高いGLP-1受容体作動薬のジェネリック薬の寄与は含んでいないとしている。同社は今年7月、ブラジルでノボノルディスク(デンマーク)のセマグルチドのジェネリック薬の承認を取得。カナダでも年内に糖尿病患者向けに発売することを目指している。
サンドのレムコ・スティーンベルゲンCFO(最高財務責任者)はロイターのインタビューで、GLP-1受容体作動薬のジェネリック薬による売り上げの上振れは「予測が極めて困難」として具体的な数字への言及は避けたものの、「数十億ドル規模の機会があるだろう」と語った。
スティーンベルゲン氏は、価格の低いジェネリック薬が入手可能になれば、市場は現在の2~7倍に拡大する可能性があると指摘。サンドは「できるだけ多くのシェアを獲得することを目指す」と話した。
RBCのアナリストは、サンドの中期目標は控え目に見えるものの、35年の目標は「より野心的」と評価。「バイオシミラーにとって好機となる30年代初頭にかけて成長の加速が見込まれる」との見方を示した。
米政権とは「良好な対話」
サンドはスロベニアに11億ドル以上の投資を行うと発表しており、6月に首都リュブリャナにバイオシミラーの開発センターを開設。8日には、追加で3億ドルを投資してリュブリャナに新たなバイオシミラー製造施設を建設すると発表した。
米国のドナルド・トランプ大統領は7月、同国に工場を建設しない場合は後発品にも高関税を課す方針を明らかにした。
セイナー氏は、サンドはトランプ政権と「非常に良好な対話を続けている」と強調。「政権は、サンドのような企業を問題の一部ではなく、解決策の一翼と見なしている」とロイターに語った。
同氏はまた、「われわれはぜひとも米国に投資したいと考えている」とも述べ、後発品やバイオシミラーの米国製造を促進するには、より広範な改革が必要だと付け加えた。
(取材:Marleen Kaesebier/Bhanvi Satija、編集:Dave Graham/Susan Fenton/Jan Harvey、翻訳:AnswersNews編集部)
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