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トピックス

国内製薬 新薬パイプラインのステージアップ・開発中止まとめ―26年3月期2Q/25年12月期3Q【随時更新】

更新日

AnswersNews編集部

国内製薬各社の2026年3月期第2四半期、25年12月期第3四半期の決算発表から、主な新薬開発パイプラインの動きをピックアップ。随時更新(公開日:10月28日、最終更新:11月11日)。

 

 

科研製薬(26年3月期2Q、11月10日発表)

パイプライン追加

【日本】ナベニバルト|遺伝性血管性浮腫(P3)

米アストリア・セラピューティクスから日本での開発・販売権を取得した遺伝性血管性浮腫の予防薬。アストリアが日本を含む国際共同P3試験を実施中。科研は承認申請と商業化活動を担う。

 

杏林製薬(26年3月期2Q、11月7日発表)

パイプライン追加

KRP-A225|全身性エリテマトーデスなど

米ヒンジバイオから導入した抗CD19/CD20二重特異性抗体。杏林は国内での開発・販売権を持つ。ヒンジバイオが年内に海外P1試験を開始する予定。

 

開発中止

KRP-A218|ライノウイルス感染症(P1)

自社創製の抗ウイルス薬。英国でP1試験を行っていたが、戦略上の理由で開発を中止。

 

参天製薬(26年3月期2Q、11月6日発表)

申請

【中国】STN1014300/RC28-E(一般名・eflimrufusp alfa)|糖尿病黄斑浮腫

中国のレメジェンから導入した抗VEGF/FGF二重特異性融合タンパク質。レメジェンが9月に糖尿病黄斑浮腫の適応で中国で申請。

 

エーザイ(2026年3月期2Q、11月5日発表)

承認

【中国】レケンビ(一般名・レカネマブ)|早期アルツハイマー病維持投与(用法用量追加)

抗アミロイドβプロトフィブリル抗体。9月に中国で4週1回の静注による維持投与が承認。

 

【米国】レケンビ|早期アルツハイマー病維持投与(剤形追加)

8月に米国で皮下注オートインジェクター製剤「レケンビ アイクリック」が承認。週1回の維持投与が対象。

 

【中国】レンビマ(レンバチニブ)|肝細胞がん(適応拡大)

自社創製のキナーゼ阻害薬。7月に中国で肝細胞がんに対する抗PD-1抗体ペムブロリズマブ、肝動脈化学塞栓療法との併用療法が承認。

 

申請

【米国】レケンビ|早期アルツハイマー病初期投与(剤形追加)

皮下注オートインジェクター製剤レケンビ アイクリックによる初期投与について、9月に米国で段階的申請を開始。

 

【日本】モビコール(マクロゴール4000/塩化ナトリウム/炭酸水素ナトリウム/塩化カリウム)|慢性便秘症(適応拡大)

EAファーマの慢性便秘症治療薬。1歳児に対する用法・用量の追加を10月に申請。

 

開発中止

【日米欧】レンビマ|肝細胞がん(P3)

切除不能な非転移性肝細胞がんを対象に、ペムブロリズマブ、肝動脈化学塞栓療法との併用療法を評価するP3試験を行っていたが、中間解析で主要評価項目である全生存期間の有意な改善が示されなかった。試験を継続しても達成の可能性は低いと判断し、試験を終了。

 

【日本】E8001|臓器移植に伴う拒絶反応(P1)

作用機序非開示。P1試験を終了し、パイプラインから削除。

 

キッセイ薬品工業(26年3月期2Q、11月4日発表)

P1開始

olutasidenib|急性骨髄性白血病

米ライジェルファーマシューティカルズから日本・韓国・台湾の権利を取得したIDH1阻害薬。再発・難治性の急性骨髄性白血病を対象に開発を開始。米国では「IDH1変異陽性の再発・難治性の急性骨髄性白血病」の適応で2022年12月に承認されている。

 

KSP-0914|バセドウ病

自社創製の甲状腺刺激ホルモン受容体阻害薬。P1試験を開始。

 

あすか製薬ホールディングス(26年3月期2Q、11月4日発表)

検証的治験開始

MCN-009|過敏性腸症候群

MICINと共同開発する治療用アプリ。検証的治験を開始。

 

パイプライン削除

TRM-270|癒着防止材

東レと共同開発してきた癒着防止材。消化器領域の外科手術後の癒着防止を対象に行った国内P3試験で主要評価項目を達成できず、共同事業化契約を終了。

 

大塚HD(25年12月期3Q、10月31日発表)

承認

【中国】サムタス(一般名・トルバプタンリン酸エステルナトリウム)|心性浮腫

大塚製薬創製のV2受容体アンタゴニスト。中国で承認を取得。

 

【日本】ネクセトール(ベムペド酸)|高コレステロール血症

米エスペリオン・セラピューティクスが創製した、ATPクエン酸リアーゼに作用することで血中LDL-コレステロールを低下させる薬剤。大塚製薬が高コレステロール血症と家族性高コレステロール血症を対象に9月に承認を取得。

 

申請

【米国】INQOVI(decitabine/cedazuridine)|急性骨髄性白血病(適応拡大)

大塚製薬の米子会社アステックスが創製した抗がん剤。米国で適応拡大を申請。

 

【中国】シベプレンリマブ|IgA腎症

大塚製薬子会社のビステラが創製した抗APRIL抗体。米国に続いて中国で申請。

 

【中国】モイゼルト(ジファミラスト)|アトピー性皮膚炎

大塚製薬が創製したPDE4阻害薬。中国で申請。

 

P1/2開始

【米国】OPF-310|1型糖尿病

カプセル化ブタ膵島細胞。

 

パイプライン追加

CAN10|自己免疫疾患(P1)

スウェーデンのカンタルジアから取得したIL-1RAP阻害抗体。

 

開発中止

【米国】レキサルティ(ブレクスピプラゾール)|心的外傷後ストレス障害(申請)

大塚製薬創製の抗精神病薬。心的外傷後ストレス障害(PTSD)への適応拡大を米国で申請していたが、9月に米FDAから「今回の申請データでは承認できない」との審査完了通知を受け取った。戦略上の理由で開発を中止。

 

第一三共(26年3月期2Q、10月31日発表)

承認

【日本】エンハーツ(一般名・トラスツズマブ デルクステカン)|HER2低発現・超低発現乳がん(適応拡大)

抗HER2抗体薬物複合体(ADC)。化学療法未治療のHR陽性かつHER2低発現・超低発現乳がんへの適応拡大が8月に日本で承認。

 

【中国】ダトロウェイ(ダトポタマブ デルクステカン)|HR陽性・HER2低発現または陰性乳がん

抗TROP2 ADC。HR陽性・HER2低発現または陰性乳がんに対する2次/3次治療の適応で承認。ダトロウェイの中国での承認は初。

 

申請

【日米】エンハーツ|HER2陽性乳がん1次治療(適応拡大)

HER2陽性乳がんの1次治療への適応拡大の申請が9月に米国で受理。抗HER2抗体ペルツズマブと併用する。10月には日本でも申請した。

 

【米中】エンハーツ|HER2陽性乳がんネオアジュバント(適応拡大)

中国で8月、米国で10月に申請受理。

 

【中国】エンハーツ|HER2陽性胃腺がん・胃食道接合部腺がん(適応拡大)

HER2陽性胃腺がん・胃食道接合部腺がんの2次治療への適応拡大申請が中国で7月に受理。

 

【欧州】エンハーツ|HER2陽性固形がん(適応拡大)

がん種横断の適応追加の申請が9月に欧州で受理。

 

P3・P2/3開始

【日米亜】エンハーツ|HER2過剰発現非扁平上皮非小細胞肺がん(適応拡大)

HER2過剰発現かつ、Actionable遺伝子変異がなく、PD-L1発現率が50%未満の局所進行・切除不能または転移性の非扁平上皮非小細胞肺がんの1次治療として、抗PD-1抗体ペムブロリズマブとの併用療法を評価するP3試験を開始。

 

【日米欧亜】パトリツマブ デルクステカン|HR陽性・HER2陰性乳がん

CDK4/6阻害剤および内分泌療法1ライン後を対象としたP3試験がスタート。

 

【日米欧亜】ダトロウェイ|尿路上皮がん(適応拡大)

2次治療以降を対象に、カルボプラチンまたはシスプラチンとの併用療法を評価するP2/3試験を開始。

 

P1・P1/2開始

【米欧亜】イフィナタマブ デルクステカン|去勢抵抗性前立腺がん

抗B7-H3 ADC。化学療法歴のない去勢抵抗性前立腺がんでP1/2試験開始。

 

【日米欧亜】イフィナタマブ デルクステカン|食道扁平上皮がん

食道扁平上皮がんの1次治療を対象としたP1/2試験がスタート。

 

【日米】DS5361|固形がん

低分子のNMD阻害薬。日米でP1入り。

 

開発中止

DS-1471|固形がん(P1)

抗CD147抗体。期待した効果が得られなかった。

 

DS-1211|弾性線維性仮性黄色腫(P2)

TNAP阻害薬。安全性と一定の有効性が実証されたものの、開発期間の長期化により競争力が失われたとして開発を中止。

 

DS-2325|ネザートン症候群(P1b/2)

KLK5阻害薬。期待した効果が得られなかった。

 

住友ファーマ(26年3月期2Q、10月31日発表)

申請

【日本】CT1-DAP001/DSP-1083|パーキンソン病

他家iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞。8月に日本で申請。先駆け審査指定制度の対象に指定されている。

 

武田薬品工業(26年3月期2Q、10月30日発表)

承認

【米国】ボンベンディ(一般名・ボニコグ アルファ)|フォン・ヴィレブランド病(小児適応)

フォン・ヴィレブランド因子製剤。小児のフォン・ヴィレブランド病の出血時と周術期の補充療法の適応追加が9月に米国で承認。

 

申請

【日本】献血グロベニン-I|自己免疫性脳炎(適応拡大)

免疫グロブリン製剤。10月に日本で申請。

 

【日本】グロベニン-I|自己免疫性脳炎(適応拡大)

免疫グロブリン製剤。10月に日本で申請。

 

【中国】アディノベイト|血友病A

ペグ化血液凝固第VIII因子製剤。中国で7月に申請。

 

P3開始

【グローバル】TAK-079(mezagitamab)|IgA腎症

抗CD38抗体。免疫性血小板減少症に続き、IgA腎症でもグローバルP3試験を開始。

 

開発中止

TAK-341/MEDI1341|多系統萎縮症(P2)

抗α-シヌクレイン抗体。P2試験で主要評価項目と副次評価項目を達成できなかった。

 

TAK-925(danavorexton)|ナルコレプシー(P1)

オレキシン2受容体アゴニスト。戦略的判断で開発を中止。

 

アステラス製薬(26年3月期2Q、10月30日発表)

承認

【日本】アイザーヴェイ(一般名・アバシンカプタド ペゴル)|地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性

2023年の米アイベリック・バイオ買収で獲得した補体C5阻害薬。日本で9月に承認を取得。

 

申請

【米国】パドセブ(エンホルツマブ ベドチン)|筋層浸潤性膀胱がん(適応拡大)

抗ネクチン-4抗体薬物複合体(ADC)。シスプラチン不適応の筋層浸潤性膀胱がんに対するペムブロリズマブとの併用療法の適応追加に関する申請が10月に米国で受理。

 

P1開始

ゾスパタ(ギルテリチニブ)|ALK陽性非小細胞肺がん(適応拡大)

FLT3阻害薬。

 

ASP5834|がん

Pan-KRASに対する標的タンパク質分解誘導薬。

 

開発中止

アイザーヴェイ|Stargardt病(P2)

 

小野薬品工業(26年3月期2Q、10月30日発表)

承認

【日本】オプジーボ(一般名・ニボルマブ)|結腸・直腸がん(適応拡大)

抗PD-1抗体。「治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん」に対する抗CTLA-4抗体「ヤーボイ」(イピリムマブ)との併用療法が8月に日本で承認。

 

【欧州】ROMVIMZA(vimseltinib)|腱滑膜巨細胞種

米子会社デサイフェラのCSF-1受容体阻害薬。9月に欧州で承認。米国では今年2月に承認を取得している。

 

申請

【日本】ONO-2017(セノバメート)|てんかん部分発作

電位依存性ナトリウム電流阻害/GABAAイオンチャネル機能増強作用を持つ抗てんかん薬。韓国のSKバイオファーマシューティカルズからの導入品。9月に日本で申請。

 

P3開始

【米国】「ベレキシブル」(チラブルチニブ)|中枢神経系原発リンパ腫

自社創製のBTK阻害薬。8月に米国でP3試験を開始。日本と韓国、台湾で承認されている。

 

P1開始

【米国】DCC-2812|腎細胞がん、尿路上皮がん、去勢抵抗性前立腺がん

GCN2活性化作用を持つ経口薬。8月に米国でP1入り。

 

開発中止

【米国】DCC-3116(inlexisertib)|固形がん(P1/2)

ULK阻害薬。米国で固形がんを対象にソトラシブとの併用療法のP1/2試験を行っていたが、戦略上の理由で開発を中止。

 

【米国】DCC-3084|悪性腫瘍(P1/2)

Pan-RAF阻害薬。米国で悪性腫瘍を対象にP1/2試験を行っていたが、戦略上の理由で開発を中止。

 

【日韓台】オプジーボ|胃がん(P3)

日本、韓国、台湾で胃がん1次治療に対するヤーボイとの併用療法のP3試験を行ったが、主要評価項目を達成できず開発を中止。

 

協和キリン(25年12月期3Q、10月30日発表)

P3開始

【グローバル】ziftomenib|急性骨髄性白血病

米クラ・オンコロジーと共同開発する経口メニン阻害薬。NPM1変異もしくはKMT2A再構成を有する急性骨髄性白血病を対象に、ベネトクラクス、アザシチジンとの併用、シタラビン、ダウノルビシンとの併用を評価するP3試験がスタート。

 

P1開始

【日本】KK3910|本態性高血圧

自社創製の抗体医薬。グローバル開発品として日本でP1試験を開始。

 

塩野義製薬(26年3月期2Q、10月27日発表)

承認

【日本】ゾフルーザ(一般名・バロキサビル マルボキシル)|インフルエンザウイルス感染症(適応拡大)

自社創製の抗インフルエンザウイルス薬。9月に体重20kg未満の患者に対する用法・用量が承認。

 

パイプライン追加

【日本】タピナロフ|小児アトピー性皮膚炎(適応拡大、申請中)

「ブイタマー」の製品名で鳥居薬品が販売しているAhR調節薬。2歳以上12歳未満の小児への適応拡大を10月に申請。同社の子会社化に伴いパイプラインに追加。

 

【日本】タピナロフ|乳幼児アトピー性皮膚炎(適応拡大、P3)

鳥居薬品の子会社化に伴い追加。

 

【日本】ワイキャンス(カンタリジン)|伝染性軟属腫(承認)

鳥居薬品が9月に日本で承認を取得。同社の子会社化に伴い追加。

 

ワイキャンス|尋常性疣贅(適応拡大、P2)

導入元の米社が適応拡大に向けたP2試験を米国で実施中。鳥居薬品の子会社化に伴い追加。

 

【日本】TO-210|尋常性ざ瘡(P3)

外用のPPARγ調節薬。鳥居薬品の子会社化に伴い追加。

 

【日本】ミティキュア|室内塵ダニアレルギー疾患(P2/3)

鳥居薬品が販売しているアレルゲン免疫療法薬。室内塵ダニアレルギー疾患(アレルギー性喘息)を対象にP2/3試験を実施中。同社の子会社化に伴い追加。

 

【日本】TO-209|イネ科花粉を原因抗原とする花粉症(P3)

アレルゲン免疫療法薬。鳥居薬品の子会社化に伴い追加。

 

中外製薬(25年12月期3Q、10月24日発表)

承認

【日本】テセントリク(一般名・アテゾリズマブ)|節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型(適応拡大)

抗PD-L1抗体。9月に再発又は難治性の節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型への適応拡大が日本で承認。節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型は鼻腔に多く発生する悪性リンパ腫の1つ。国内では悪性リンパ腫(年間発症数約3万6000人)のうち約0.68%と極めてまれながん。

 

【日本】セルセプト(ミコフェノール酸 モフェチル)|ネフローゼ症候群(適応拡大)

免疫抑制剤。9月に日本で難治性のネフローゼ症候群への適応拡大の公知申請が承認。

 

申請

【日本】アバスチン(ベバシズマブ)|神経線維腫症II型(適応拡大)

抗VEGF抗体。8月に日本で申請。

 

P3開始

【日本】RG6631(afimkibart)|クローン病

ロシュから導入した抗TL1A抗体。9月にクローン病を対象としたP3試験を開始。先行して潰瘍性大腸炎のP3試験が行われている。

 

P1/2開始

【日本】RG6330(divarasib)|非小細胞肺がん

ロシュから導入した低分子のKRAS G12C阻害薬。非小細胞肺がんの1次治療の適応で10月に試験を開始。

 

開発中止

【日本】RG6058(チラゴルマブ)|非小細胞肺がん(P3)

ロシュから導入した抗TIGIT抗体。テセントリクとの併用でステージIIIの非小細胞肺がんを対象にP3試験を行ったが、主要評価項目を達成できなかった。

 

【日本】RG6058(チラゴルマブ)|肝細胞がん(P3)

テセントリク、アバスチンとの併用で肝細胞がんの1次治療を対象にP3試験を行ったが、主要評価項目を達成できなかった。

 

【グローバル】ピアスカイ(クロバリマブ)|鎌状赤血球症(P2)

自社創製のpH依存的結合性抗補体(C5)リサイクリング抗体。ロシュが海外で行ったP2試験で主要評価項目を達成できなかった。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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