
東証プライム市場に上場する主要製薬企業25社の2025年度末の従業員数が、単体ベースで前年度比0.5%増となったことがわかりました。希望退職者の募集を行った協和キリンが10%を超える減少となった一方、生産子会社を吸収した第一三共やM&Aを行った塩野義製薬が約3割増加。全体として3年ぶりに前年度を上回りました。
塩野義32%、第一三共28%増
集計対象としたのは、2025年4月から26年3月に本決算を迎えた東証プライム上場製薬企業25社。各社の有価証券報告書から単体と連結の従業員数を集計しました。
25社の25年度末時点の単体従業員数は計5万6136人で、前年度から0.5%(298人)増加。早期退職が相次ぎ過去10年で2番目に大きい減り幅となった24年度から一転し、前年度を上回りました。連結従業員数は計18万9545人で、0.6%(1137人)増でした。

単体従業員数の増加が最も大きかったのは塩野義製薬。日本たばこ産業(JT)の医薬事業を買収したことで31.9%(679人)増え、2808人となりました。生産子会社の第一三共プロファーマと第一三共ケミカルファーマを25年4月に吸収合併した第一三共も28.1%(1757人)増加。同社の単体従業員数は10年連続の増加で8009人となり、国内製薬企業のなかでは突出しています。
このほか、単体従業員数の増加が大きかったのは、富士製薬工業(7.4%増)、参天製薬(7.3%増)、生化学工業(同)、ゼリア新薬工業(6.6%増)など。東和薬品やツムラも3%台の増加となりました。
一方、単体従業員数を最も減らしたのは、12.7%(510人)減の協和キリン。同社は25年に希望退職者の募集を行い、432人が応募しました。アステラス製薬(0.6%減)、エーザイ(同)、武田薬品工業(0.3%減)など、大手は微減となったところが目立ちました。
連結ベースでは、塩野義がM&Aを背景に25.6%(1268人)増加。中国の生薬販売会社を連結子会社化したツムラも15.2%(651人)増えました。サワイグループホールディングス(HD、9.7%増)や大塚HD(6.8%増)なども増えています。一方、希望退職者の募集を行った協和キリンは9.0%(508人)減少。住友ファーマはアジア事業を売却したことで18.5%(709人)の大幅減となりました。
ピークの13年度からは6.9%減
集計対象の25社から経年比較が可能な21社(純粋持株会社は除く)の単体従業員数は、ピークだった13年度から6.9%(4009人)減少。24年度は13年度を10%以上下回っていましたが、25年度は3年ぶりの増加でやや持ち直しました。

21社を25年度末時点の単体従業員数で▽3000人以上▽1000~2999人▽999人以下――の3つの企業群に分けて見てみると、13年度を100とした場合の25年度の単体従業員数は、3000人以上の企業群で96.8、1000~2999人の企業群で84.9、999人以下の企業群で132.8となっています。
減少が最も大きい1000~2999人の企業群には、エーザイ、塩野義、住友、ツムラ、東和薬品などが含まれます。13年度と比べると、東和薬品が69.6%(1190人)、ツムラが22.3%(521人)増えた一方、住友は59.7%(2584人)と半分以下に減少。エーザイも25.6%(1024人)減っており、25年度は大幅増となった塩野義も13年度との比較では32.8%(1370人)減少しています。
3000人以上の企業群では、第一三共が13年度から39.4%(2265人)、小野薬品工業が30.2%(788人)増加。一方、アステラスは29.4%(1696人)減、武田薬品工業は27.2%(1786人)減となっています。
AnswersNews編集部が製薬企業をレポート
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