第一三共が新中計、30年度に売上収益3兆円以上/帝人、医薬品「希少疾患・難病に絞り込み」 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2026年5月11日)
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AnswersNews編集部

第一三共が新中計、30年度に売上収益3兆円以上
第一三共は5月11日、2026~30年度の中期経営計画を発表した。最終年度の計数目標は、売上収益3兆円以上(25年度実績は2兆1230億円)、営業利益6000億円以上(同2291億円)。「エンハーツ」と「ダトロウェイ」を中心に抗体薬物複合体(ADC)製品の売り上げを伸ばし、がん領域で2兆3000億円超の売上収益を目指す。25年度のがん領域売上収益は9540億円だった。研究開発には5年間で約2.9兆円を投じ、ADCや次世代の成長を担う新薬候補の開発を進める。35年にがん領域で世界トップ5に入ることを目指し、30年代前半には「営業利益1兆円規模を目指せる位置に立つ」としている。
帝人、医薬品「希少疾患・難病領域に絞り込み」
帝人は5月11日、2026~28年度の中期経営計画を発表し、医薬品事業で希少疾患・難病領域への絞り込みを加速させる方針を明らかにした。その他の医薬品については「ベストオーナーを模索」するとし、組織体制も希少疾患・難病領域に特化した形に再構築する。ヘルスケア事業の最終年度の目標は、売上収益1050億円(25年度実績は1386億円)、事業利益150億円(同134億円)。医薬品の絞り込みで売り上げは減少するが、構造改革によって収益性を高める。
東和薬品、26年3月期の純利益下振れ…三生医薬不振で減損損失147億円
東和薬品は5月11日、2026年3月期決算にのれんの減損損失147億円を計上すると発表した。22年に買収した三生医薬の業績不振が要因。健康食品事業の収益性低下などで26年3月期業績や27年3月期以降の計画が想定を大きく下回る状況となった。これに伴い、26年3月期の純利益予想を従来の177億円から52億円に下方修正した。
フェリング、膀胱がん向け遺伝子治療薬「エドスチラドリン」承認
フェリング・ファーマは5月11日、膀胱がんに対する遺伝子治療薬「エドスチラドリン膀胱内注入液」(一般名・ナドファラゲン フィラデノベク)の承認を取得したと発表した。BCG膀胱内注入療法後に残存・再発した上皮内がんを有する高リスク筋層非浸潤性膀胱がんで、BCG膀胱内注入療法の再導入の適応とならない患者が対象となる。同薬はインターフェロンアルファ-2bを発現させることで抗腫瘍効果を発揮する遺伝子治療。3カ月に1回、膀胱内に直接投与する。
第一三共、MMRワクチン「ミムリット」承認
第一三共は5月11日、乾燥弱毒生麻しんおたふくかぜ風しん混合ワクチン(MMRワクチン)「ミムリット皮下注用」の承認を取得したと発表した。定期接種対象である同社の麻しん風しん混合ワクチンに、世界で汎用されているおたふくかぜワクチン株を加えた3種混合ワクチン。接種回数の削減と被接種者の負担軽減を期待する。
メディパルHD、PALTAC完全子会社化へTOB
メディパルホールディングス(HD)は5月11日、連結子会社のPALTACに対してTOB(株式公開買い付け)を行うと発表した。メディパルHDは現在、PALTACの株式の52.40%を所有。TOBとその後の手続きを経て全株式を取得し、完全子会社化する。買付け期間は5月12日~7月7日。買付け価格は1株6650円で、8日の終値に42.7%のプレミアムを乗せた水準となる。買付けの総額は約1925億円。メディパルHDは、化粧品・日用品や一般用医薬品を扱うPALTACを完全子会社化することで、取引先や生活者に対する新たなソリューションの提供や、次世代の物流モデルの構築などを目指す。
米カプリコール、日本新薬を提訴…DMD心筋症薬の販売契約解除求め
日本新薬は5月8日、米カプリコール・セラピューティクスから、デュシェンヌ型筋ジストロフィー心筋症治療薬「CAP-1002」(開発コード、一般名・deramiocel)の米国での販売契約の解除を求める訴訟を起こされたと発表した。両社は米国と日本を対象に販売契約を結んでおり、米国ではカプリコールが申請中。カプリコールは、米国での発売に向けた契約の改定対応や販売準備が不十分などと主張しているという。日本新薬は「カプリコールの主張は合理性を欠くものと認識しているが、対話の道を閉ざすことなく継続していきたい」としている。
決算
第一三共(2026年3月期、5月11日発表)
▽売上収益2兆1230億4500万円(前期比12.6%増)▽営業利益2290億8900万円(31.0%減)▽税引前利益2634億3200万円(25.9%減)▽当期利益2598億7400万円(12.1%減)――。抗HER2ADC「エンハーツ」の製品売り上げは6984億円(26.3%増)、抗TROP2ADC「ダトロウェイ」の製品売り上げは476億円(前期は14億円)と拡大。抗凝固薬エドキサバンも6.9%増の3677億円と伸び、売上収益は初めて2兆円を超えた。一方、ADC製品の供給計画見直しに伴う製造委託先への損失補償など一過性の費用に計上したことで、利益は大きく減少した。27年3月期は、売上収益2兆2800億円(7.4%増)、営業利益3150億円(37.5%増)を予想。エンハーツとダトロウェイが引き続き伸びる。
帝人(2026年3月期、5月11日発表)
ヘルスケア事業は売上収益1386億円(前期比1.2%増)、事業利益134億円(136.0%増)。在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)のレンタルが好調で、糖尿病治療薬の販売権の減損による償却費減少や医薬品のライセンス対価収入の増加も大幅増益に寄与した。27年3月期は売上収益1100億円(20.6%減)、事業利益100億円(25.4%減)を予想。医薬品の希少疾患・難病領域への絞り込みなどにより減収減益を見込む。
キッセイ薬品工業(2026年3月期、5月11日発表)
▽売上高974億600万円(前期比10.3%増)▽営業利益29億2700万円の赤字(前期は57億7300万円の黒字)▽経常利益11億6200万円の赤字(69億7400万円の黒字)▽純利益137億7900万円(15.2%増)――。過活動膀胱治療薬「ベオーバ」(215億4700万円、15.5%増)や顕微鏡的多発血管炎・多発血管炎性肉芽腫症治療薬「タブネオス」(115億2400万円、28.2%増)などが伸びた。売上原価率の上昇や研究開発費の増加で営業・経常利益は赤字となったが、投資有価証券売却益を特別利益に計上したことで純利益は増益を確保した。27年3月期は売上高957億円(1.8%減)、営業利益44億円を見込む。
あすか製薬HD(2026年3月期、5月11日発表)
▽売上高711億2700万円(前期比10.9%増)▽営業利益58億3400万円(9.4%増)▽経常利益56億6500万円(10.9%増)▽純利益54億2400万円(6.3%増)――。子宮筋腫・子宮内膜症治療薬「レルミナ」が前期比6.1%増の111億7300万円を売り上げるなど、国内事業が堅調に推移。海外事業も寄与した。27年3月期は売上高730億円(2.6%増)、営業利益62億円(6.3%増)を予想。レルミナなどが引き続き伸びる。






