
中央社会保険医療協議会(中医協)総会は10月15日、再生医療等製品1成分1品目と新薬5成分11品目の薬価収載を了承した。収載は22日。再生医療等製品として国内初の塗布するタイプの遺伝子治療薬「バイジュベックゲル」が収載されるほか、帝人ファーマの副甲状腺機能低下症治療薬「ヨビパス皮下注」、アキュリスファーマの抗てんかん薬「スピジア点鼻液」などが収載される。
「バイジュベックゲル」有用性加算50%も係数ゼロ
Krystal Biotech Japanの遺伝子治療薬「バイジュベックゲル」(一般名・ベレマゲン ゲペルパベク)は栄養障害型表皮水疱症治療薬。原因遺伝子であるヒトCOL7A1遺伝子を搭載した非増殖性組換え単純ヘルペスウイルス1型ベクター製品で、創傷部位に塗布することでCOL7タンパク質を発現させる。
原価計算方式で算定された薬価は2瓶1組295万5232.70円。▽既収載品と異なる作用機序を持ち、標準的な治療法が確立されていない重篤な疾患が対象である▽既存治療で効果不十分な患者で効果が認められ、既存治療と比べて利便性が高い――点が評価され有用性加算I(50%)がついたほか、市場性加算I(15%)もついたが、原価の開示度により加算係数がゼロとなり、薬価への上乗せは行われなかった。ピーク時に181億円の販売を見込む。

帝人ファーマの「ヨビパス皮下注」(パロペグテリパラチド)は、副甲状腺ホルモン(PTH)の徐放性プロドラッグ。薬価は原価計算方式で算定され、168µg0.56mL1キット57万1509円、294µg0.98mL1キット58万4139円、420µg1.4mL1キット59万6310円。有用性加算II(5%)と市場性加算I(10%)がついたが、加算係数はゼロとなった。ピーク時の販売予測は129億円。
「スピジア」成人初のてんかんレスキュー薬
アキュリスファーマの「スピジア点鼻液」(ジアゼパム)は、てんかん重積状態に対する点鼻薬。成人では発作時に医療機関外で投与できる初のレスキュー薬となる。薬価は「ロラピタ静注」を比較薬とする類似薬効比較方式Iで算定。有用性加算II(10%)と市場性加算I(15%)がつき、5mg0.1mL1瓶8336.50円、7.5mg0.1mL1瓶9337.60円、10mg0.1mL1瓶1万120.00円となった。ピーク時に5.3億円の売り上げを見込む。
このほか、22日に薬価収載されるのは
▽不眠症治療薬「ボルズィ錠」(ボルノレキサント水和物)=大正製薬
▽制酸・緩下剤「マグミット錠」(酸化マグネシウム)=マグミット製薬
▽緑内障・高眼圧症治療薬「セタネオ点眼液」(セペタプロスト)=参天製薬
オレキシン受容体拮抗薬のボルズィ錠は、ピーク時に119億円の販売を予測。セタネオ点眼液は36億円を見込む。マグミット錠には100mg錠が追加される。






