キイトルーダ、再算定で薬価7%引き下げ/プルヴィクトやアイザーヴェイなど16新薬、12日薬価収載 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2025年11月5日)
更新日
AnswersNews編集部

キイトルーダ、再算定で薬価7%引き下げ…レブロジルとビロイは費用対効果評価で下げ
中央社会保険医療協議会(中医協)総会は11月5日、MSDの抗PD-1抗体「キイトルーダ点滴静注」(一般名・ペムブロリズマブ)について、市場拡大再算定によって薬価を7.0%引き下げることを了承した。「年間販売額1500億円超かつ基準年間販売額の1.3倍以上」という市場拡大再算定の特例の要件に該当すると判断した。新薬価は100mg4mL1瓶19万9462円となる。中医協総会はまた、ブリストル・マイヤーズスクイブの赤血球成熟促進薬「レブロジル皮下注用」(ルスパテルセプト)とアステラス製薬の抗がん剤「ビロイ点滴静注用」(ゾルベツキシマブ)について、費用対効果評価の結果に基づいて薬価を引き下げることも了承。レブロジルは8.3%、ビロイは4.3%引き下げる。3剤とも新薬価は来年2月1日から適用される。
「プルヴィクト」「アイザベイ」など16新薬、12日薬価収載
中医協総会は11月5日、ノバルティスファーマの前立腺がん治療薬「プルヴィクト静注」(ルテチウムビピボチドテトラキセタン<177Lu>)やアステラス製薬の萎縮型加齢黄斑変性治療薬「アイザベイ硝子体内注射液」(アバシンカプタド ペゴルナトリウム)など新薬16成分19品目の薬価収載を了承した。収載は12日。ファイザーの片頭痛治療薬「ナルティークOD錠」(リメゲパント硫酸塩水和物)や、大塚製薬の高コレステロール血症治療薬「ネクセトール錠」(ベムペド酸)なども収載される。プルヴィクトはピーク時に421億円の売り上げを予測。アイザベイは153億円を見込む。
ニプロと日医工、注射用抗菌薬の製造所集約
ニプロと日医工は11月5日、注射用抗菌薬の後発医薬品の安定供給に向けた協業に合意したと発表した。両社がそれぞれ製造する3成分8品目について、一方の製造所に集約することを協議しており、2026年以降、準備が整い次第、順次開始する。
大塚、栄養モニタリングアプリの共同研究…循環器病研究センターと
大塚製薬は11月5日、国立循環器病研究センターと、栄養モニタリングアプリによる心疾患患者の減塩行動変容を検討する共同研究を行うと発表した。使用するのは、尿をかけた試験紙を専用アプリで読み取ることで栄養状態を測定し、結果に応じて管理栄養士が監修した食や生活習慣に関するアドバイスを提供するアプリ。自宅で塩分摂取状況を頻回に測定できる環境を整え、行動変容を促す。研究は、心不全または高血圧症を有する外来の心疾患患者が対象。探索的試験として2029年6月末まで実施する。
あすか製薬、ペルセウスプロテオミクスと抗体創出へ共同研究
あすか製薬とペルセウスプロテオミクス(PPMX、東京都中央区)は11月5日、抗体医薬品の創出を目指した共同研究契約を結んだと発表した。PPMX独自の抗体技術を活用し、特定の疾患領域に対する新規治療薬の開発につなげる。
決算
エーザイ(2025年4~9月期)
▽売上収益4000億1300万円(前年同期比3.9%増)▽営業利益344億1800万円(23.6%増)▽税引前利益369億3600万円(17.1%増)▽中間利益246億3000万円(13.5%増)――。アルツハイマー病治療薬「レケンビ」の売上収益は411億円(152.6%増)。抗がん剤「レンビマ」(1665億円、1.0%増)や不眠症治療薬「デエビゴ」(291億円、15.0%増)など主要製品が売り上げを伸ばした。開発テーマの見直しや費用効率化、円高の影響で研究開発費が減少し、利益は大きく増加した。26年3月期の業績予想は、売上収益7900億円、営業利益545億円とした従来予想から変更はない。
旭化成(医薬・ライフサイエンス事業、2025年4~9月期)
▽売上高1276億円(前年同期比12.4%増)▽営業利益286億円(100.2%増)――。海外で販売する腎疾患治療薬「Tarpeyo」や、国内の主力製品である骨粗鬆症治療薬「テリボン」などが好調だった。26年3月期の業績予想は、売上高2520億円(従来予想比180億円増)、営業利益384億円(120億円増)に上方修正した。
帝人(ヘルスケアセグメント、2025年4~9月期)
▽売上収益は684億円(前年同期比1.3%減)▽事業利益は71億円(31.2%増)――。糖尿病治療薬や痛風・高尿酸血症治療薬「フェブリク」が売り上げを落とした一方、睡眠時無呼吸症候群の治療に使うCPAPのレンタル台数増加や事業構造改革による固定費削減によって大幅な増益となった。26年3月期の業績予想は、売上収益1350億円、事業利益125億円の従来予想を据え置いた。
ゼリア新薬工業(2025年4~9月期)
▽売上高399億6000万円(前年同期比5.8%減)▽営業利益36億4100万円(43.6%減)▽経常利益26億5600万円(66.6%減)▽純利益17億3700万円(71.3%減)――。一部地域で前年度の第4四半期に出荷が大幅に増えたことの反動や、製造委託先の設備の不具合によって潰瘍性大腸炎治療薬「アサコール」の供給が十分に受けられなかったことが響いた。設備は復旧し、供給はすでに正常化している。海外子会社のシステム投資などがかさみ、利益も大幅に減少した。26年3月期の業績予想は、売上高900億円、営業利益120億円の従来予想を据え置いた。
メディパルホールディングス(2025年4~9月期)
▽売上高1兆8975億6200万円(前年同期比4.0%増)▽営業利益250億8300万円(7.7%減)▽経常利益342億6900万円(2.3%減)▽中間利益220億9000万円(1.7%増)――。医療用医薬品等卸売事業は4.1%の増収となったが、同事業での事業投資や物流費がかさみ減益となった。26年3月期は従来予想(売上高3兆7850億円(3.1%増)、営業利益520億円(6.5%減)を据え置いた。




