
AnswersNewsでは、2016年4月の創刊からこれまでに約3700本の記事を公開してきました。アクセス数の多かったニュース解説記事を年ごとにまとめ、業界の10年を振り返ります。
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INDEX
2016年:毎年薬価改定が決定 薬価制度に動き
2016年は、薬価制度に大きな動きのあった1年でした。4月の薬価改定で特例拡大再算定(現在の「持続可能性特例価格調整」)が導入。免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」も50%の薬価引き下げが決まり、業界からは反発が起こりました。12月には、毎年薬価改定の実施が決まりました。
先行き不透明感が増すなかで、新薬メーカーが長期収載品を売却する動きも加速。武田薬品工業が強みとしてきた糖尿病領域の研究を中止したのも、象徴的な出来事でした。
2017年:キイトルーダ発売など、がん免疫に新展開
2017年に社会的にも大きな関心を集めたのがC型肝炎治療薬「ハーボニー」の偽造品問題。正規の薬局での流通とあって衝撃が広がりました。一方、この年、国内では2つ目の免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」が発売。先行するオプジーボとの競合に注目が集まりました。米国でも、CAR-T細胞療法「キムリア」が承認されるなど、がん免疫療法に新たな動きのあった1年でした。
2018年:武田、シャイアー買収を発表
武田薬品工業がアイルランド・シャイアーの買収を発表したのがこの年。日本からメガファーマが誕生することが2018年最大のトピックとなりました。一方、後発品業界では、エーザイが20年続いた後発品事業に見切り。富士フイルムも後発品からの撤退を発表するなど、後発品ビジネスの大きな分岐点となりました。新薬では、1回の服用で済む塩野義製薬の抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」などに注目が集まりました。
2019年:販売情報提供ガイドラインの運用が開始
2019年4月、販売情報提供ガイドラインの運用が開始され、製薬企業のプロモーションの在り方が大きく変わりました。米ブリストル・マイヤーズスクイブが約8兆円で同セルジーンを買収したのを契機に、国内外でM&Aが活発に。米アッヴィもこの年、アイルランド・アラガンを買収しました。一方で、国内ではリストラも相次ぎました。
2020年:新型コロナ一色に
新型コロナウイルスの流行によって社会が大きく変化したこの年。リモートワークが普及し、MRは医療機関への訪問を自粛することに。営業活動だけでなく、治験や研究活動も含めて対応を迫られた1年でした。治療薬・ワクチンの開発に大きな関心が集まり、開発動向をまとめた記事は年間を通じてよく読まれました。
2021年:品質不正相次ぐ、不祥事に揺れた1年
2021年は後発医薬品メーカーを中心に不正製造が相次ぎ、不祥事に揺れた1年となりました。供給不安のなか、中間年改定が初めて実施されたのもこの年です。このほか、注目を集めたのは、約5年に及ぶ審査を経て承認されたHPVワクチン「シルガード9」。この年の11月、HPVワクチンの定期接種の積極推奨が再開されました。
2022年:エーザイ、レカネマブ最終治験に成功
この10年、好業績が続く中外製薬。2022年は1兆円企業へと飛躍する年となりました。アリセプトから20年以上にわたって認知症領域に取り組み続けてきたエーザイは9月、レカネマブの最終治験に成功。大きな一歩に注目が集まりました。
一方、不正製造に端を発する供給不安は22年も続きました。大手後発医薬品メーカーの日医工と沢井製薬は、米国事業に躓いたこともあり最終赤字に。日医工はこの年、経営再建に向けてファンド傘下に入ることを決めました。
2023年:MR5万人割れ 例年以上に相次いだリストラに関心
この年、最も関心が寄せられたのは、例年以上に相次いだ早期退職。退職者は国内企業6社の公表分だけで2000人超に及びました。年々減少を続けてきたMR数はこの年、5万人を割り込みました。新薬では「30年に売り上げ1兆円」を想定するエーザイのアルツハイマー病薬「レケンビ」が話題の的に。コロナ禍を経て加速したデジタルへの取り組みを提携関係から整理したデジタル協業マップもよく読まれました。
2024年:肥満症薬ウゴービ発売、市場開拓に注目
2月、ノボノルディスクの肥満症治療薬「ウゴービ」が日本でも発売し、成長市場の開拓の行方に注目があつまりました。同年末にはイーライリリーの「ゼップバウンド」も承認されています。新たな市場が拓かれる一方で、前年に続き早期退職も相次いだこの年。住友ファーマの再成長シナリオをまとめた記事には多くのアクセスがありました。
2025年:トランプ政権が業界翻弄
2025年は、米トランプ政権の医薬品政策に大きく翻弄された1年でした。関税政策や最恵国待遇価格などの米国内の薬価政策に、国内製薬企業も対応を迫られました。新薬では、塗る遺伝子治療薬「バイジュベック」の登場に注目が集まり、サンバイオの細胞治療薬「アクーゴ」の動向にも高い関心が寄せられました。




