
国内製薬各社の2026年3月期第2四半期、25年12月期第3四半期の決算発表から、主な新薬開発パイプラインの動きをピックアップ。随時更新(公開日:10月28日)。
塩野義製薬(26年3月期2Q、10月27日発表)
承認
【日本】ゾフルーザ(一般名・バロキサビル マルボキシル)|インフルエンザウイルス感染症(適応拡大)
自社創製の抗インフルエンザウイルス薬。9月に体重20kg未満の患者に対する用法・用量が承認。
パイプライン追加
【日本】タピナロフ|小児アトピー性皮膚炎(適応拡大、申請中)
「ブイタマー」の製品名で鳥居薬品が販売しているAhR調節薬。2歳以上12歳未満の小児への適応拡大を10月に申請。同社の子会社化に伴いパイプラインに追加。
【日本】タピナロフ|乳幼児アトピー性皮膚炎(適応拡大、P3)
鳥居薬品の子会社化に伴い追加。
【日本】ワイキャンス(カンタリジン)|伝染性軟属腫(承認)
鳥居薬品が9月に日本で承認を取得。同社の子会社化に伴い追加。
ワイキャンス|尋常性疣贅(適応拡大、P2)
導入元の米社が適応拡大に向けたP2試験を米国で実施中。鳥居薬品の子会社化に伴い追加。
【日本】TO-210|尋常性ざ瘡(P3)
外用のPPARγ調節薬。鳥居薬品の子会社化に伴い追加。
【日本】ミティキュア|室内塵ダニアレルギー疾患(P2/3)
鳥居薬品が販売しているアレルゲン免疫療法薬。室内塵ダニアレルギー疾患(アレルギー性喘息)を対象にP2/3試験を実施中。同社の子会社化に伴い追加。
【日本】TO-209|イネ科花粉を原因抗原とする花粉症(P3)
アレルゲン免疫療法薬。鳥居薬品の子会社化に伴い追加。
中外製薬(25年12月期3Q、10月24日発表)
承認
【日本】テセントリク(一般名・アテゾリズマブ)|節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型(適応拡大)
抗PD-L1抗体。9月に再発又は難治性の節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型への適応拡大が日本で承認。節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型は鼻腔に多く発生する悪性リンパ腫の1つ。国内では悪性リンパ腫(年間発症数約3万6000人)のうち約0.68%と極めてまれながん。
【日本】セルセプト(ミコフェノール酸 モフェチル)|ネフローゼ症候群(適応拡大)
免疫抑制剤。9月に日本で難治性のネフローゼ症候群への適応拡大の公知申請が承認。
申請
【日本】アバスチン(ベバシズマブ)|神経線維腫症II型(適応拡大)
抗VEGF抗体。8月に日本で申請。
P3開始
【日本】RG6631(afimkibart)|クローン病
ロシュから導入した抗TL1A抗体。9月にクローン病を対象としたP3試験を開始。先行して潰瘍性大腸炎のP3試験が行われている。
P1/2開始
【日本】RG6330(divarasib)|非小細胞肺がん
ロシュから導入した低分子のKRAS G12C阻害薬。非小細胞肺がんの1次治療の適応で10月に試験を開始。
開発中止
【日本】RG6058(チラゴルマブ)|非小細胞肺がん(P3)
ロシュから導入した抗TIGIT抗体。テセントリクとの併用でステージIIIの非小細胞肺がんを対象にP3試験を行ったが、主要評価項目を達成できなかった。
【日本】RG6058(チラゴルマブ)|肝細胞がん(P3)
テセントリク、アバスチンとの併用で肝細胞がんの1次治療を対象にP3試験を行ったが、主要評価項目を達成できなかった。
【グローバル】ピアスカイ(クロバリマブ)|鎌状赤血球症(P2)
自社創製のpH依存的結合性抗補体(C5)リサイクリング抗体。ロシュが海外で行ったP2試験で主要評価項目を達成できなかった。



