
2026年度薬価改定が3月5日に告示されました。2年に1回の通常改定にあたる今回の改定率は、医療費ベースでマイナス0.86%、薬剤費ベースではマイナス4.02%。改定の主な内容をビジュアルを中心にまとめました。
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名称変更の「薬価維持制度」653品目が薬価維持

新薬創出・適応外薬解消等促進加算から名称が変わる「革新的新薬薬価維持制度」では、383成分653品目の薬価が維持されます。一方、要件を満たして制度の対象となったものの、平均乖離率を上回ったため薬価が維持されなかったのは38成分49品目。制度の対象ながら市場拡大再算定などの適用によって薬価が下がるものも11成分26品目あります。
加算対象の品目を持つ企業は98社。成分数が最も多いのは25成分のノバルティスファーマで、武田薬品工業が22成分、ヤンセンファーマとファイザーが18成分で続いています。
後発医薬品の薬価収載などでこれまでの制度の累積額が控除されるのは28成分49品目。造血刺激薬「レボレード」(ノバルティス)、SGLT2阻害薬「フォシーガ」(アストラゼネカ)、抗がん剤「アブラキサン」(大鵬薬品工業)などが含まれます。制度の対象品目を比較薬にして算定された品目では、4成分7品目が累積額相当額の控除を受けます。
制度による薬価維持に要する額は約273億円。一方、累積額の控除額は約918億円、比較薬の累積額相当額の控除は約76億円で、制度全体の財政影響は差し引きマイナス721億円となります。
再算定、ロミプレートが40%引き下げ 特例のエンレストはマイナス25%

市場拡大再算定は13成分31品目に適用。このうち、慢性心不全・高血圧症治療薬「エンレスト」(ノバルティス)と抗凝固薬「リクシアナ」(第一三共)は「持続可能性特例価格調整(市場拡大再算定の特例から名称変更)の対象となりました。
再算定対象品目で最も引き下げ幅が大きいのは、協和キリンの造血刺激因子製剤「ロミプレート」。薬価維持制度の累積額控除の対象にもなったことで、薬価は40.6%下がります。エンレストは25%、リクシアナは19.7~19.8%の引き下げです。
26年度からは類似品への適用(いわゆる共連れ)が廃止され、これにより5成分が今回改定での再算定を免れました。ただ、これら5成分は今後、適応拡大などの有無にかかわらずレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)で使用量を把握し、基準を上回った場合は再算定または特例価格調整が行われることになります。
改定時加算、ファビハルタとプレバイミスが10%超引き上げ

改定時加算の対象となったのは13成分24品目。26年度改定から、市販後に国内の標準的治療法となったことを評価する加算が新設され、アステラス製薬の抗がん剤「ビロイ」が対象となりました。
引き上げ率が大きいのは、MSDの抗サイトメガロウイルス薬「プレバイミス点滴静注」(15.0%)、「同錠」(9.9%)、ノバルティスの補体B因子阻害薬「ファビハルタカプセル」(12.5%)など。プレバイミスは小児適応、ファビハルタは希少疾病の適応追加に関する加算がつきました。
長期収載品、バイオ薬12成分がG1対象に

長期収載品の薬価を後発品の加重平均まで段階的に引き下げるG1ルールでは、今回の改定からバイオシミラーが収載されているバイオシミラーも対象になります。今回G1の適用を受けるバイオ医薬品は12成分41品目で、抗がん剤「アバスチン」「ハーセプチン」(中外製薬)、抗TNFα抗体の「ヒュミラ」(アッヴィ)や「レミケード」(田辺ファーマ)、インスリン製剤「ランタス」(サノフィ)などが含まれます。
26年度薬価制度改革では、これまで「後発品発売後10年経過」としていた適用開始時期を「後発品発売後5年経過」に前倒しする見直しも行われます。今回の改定ではこれによって59成分145品目がG1の対象に加わりました。
後発品の価格帯は、1価格帯が756成分規格、2価格帯が371成分規格、3価格帯が470成分規格。32成分52品目は、企業区分Aのため集約が行われません。安定供給体制などを評価する企業指標による企業区分は、評価が高い順にA区分が38社、B区分が64社、C区分が83社でした。
基礎的医薬品は493品目1896品目

薬価の下支えでは、232成分704品目に不採算品再算定が適用。基礎的医薬品は計493品目1896品目が対象になりました。
3.5%の引き上げが行われる最低薬価は、585成分3186品目が対象。改定前に最低薬価だった品目は435成分2185品目で、このうち432成分2157品目で薬価を引き上げ。みなし薬価品目は84成分302品目で、うち62成分255品目で薬価が上がりました。




