「ダラキューロ」くすぶり型多発性骨髄腫に適応拡大／「ユプリズナ」IgG4関連疾患の適応追加承認 など｜製薬業界きょうのニュースまとめ読み（2025年11月20日）

「ダラキューロ」高リスクくすぶり型多発性骨髄腫に適応拡大

ヤンセンファーマは11月20日、多発性骨髄腫治療薬「ダラキューロ配合皮下注」（一般名・ダラツムマブ/ボルヒアルロニダーゼ アルファ）について、「高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫における進展遅延」への適応拡大の承認を取得したと発表した。同適応では国内初の承認。くすぶり型多発性骨髄腫は多発性骨髄腫の前駆状態で、異常な形質細胞が骨髄内で検出されるものの、無症候性。ダラキューロの承認により、多発性骨髄腫や臓器障害発現前に治療を行うことができるようになる。

田辺三菱「ユプリズナ」IgG4関連疾患の適応追加承認

田辺三菱製薬は11月20日、抗CD19抗体「ユプリズナ点滴静注」（イネビリズマブ）について、IgG4関連疾患の再燃抑制の適応追加が承認されたと発表した。IgG4関連疾患治療薬としては国内初の承認となる。IgG4関連疾患は複数の臓器で腫大、結節・肥厚性病変や線維化を伴う進行性の疾患。B細胞、特にIgG4陽性の形質芽細胞や形質細胞が発症の主な要因である可能性が示されている。同薬は2021年に「視神経脊髄炎スペクトラム障害（視神経脊髄炎を含む）の再発予防」の適応で承認。全身型重症筋無力症への適応拡大も申請中。

ノバルティス「ベオビュ」増殖糖尿病網膜症への適応拡大承認

ノバルティスファーマは11月20日、眼科用VEGF阻害薬「ベオビュ硝子体内注射用キット」（ブロルシズマブ）について、増殖糖尿病網膜症への適応拡大が承認されたと発表した。あわせて、すでに承認されている「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性」の適応で、4週間隔に加えて6週間隔の導入投与を追加する承認も取得した。増殖糖尿病網膜症は糖尿病網膜症の末期状態。標準治療はレーザー治療で、これまで承認された医薬品はなかった。

「ベネクレクスタ」未治療CLL対象に2つの併用療法が承認

アッヴィは11月20日、BCL-2阻害薬「ベネクレクスタ錠」（ベネトクラクス）について、未治療の慢性リンパ性白血病（CLL、小リンパ球性リンパ腫を含む）を対象に、中外製薬/日本新薬の抗CD20抗体「ガザイバ点滴静注」（オビヌツズマブ）、ヤンセンファーマのBTK阻害薬「イムブルビカカプセル」（イブルチニブ）との2つの併用療法が承認されたと発表した。承認は国内で行われたP2試験や海外P3試験の結果などに基づく。

ブリストル「オータイロ」がん種横断の適応取得

ブリストル・マイヤーズスクイブは11月20日、ROS1阻害薬「オータイロカプセル」（レポトレクチニブ）について、NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がんへの適応拡大の承認を取得したと発表した。承認は、成人を対象に行われた国際共同臨床第1/2相（P1/2）試験と、小児と若年成人を対象とした海外P1/2試験のうち、NTRK融合遺伝子陽性固形がん患者の結果に基づく。同薬は「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の適応で2024年9月に承認を取得した。

小野薬品「ビラフトビ」結腸・直腸がんで新たな併用療法承認

小野薬品工業は11月20日、BRAF阻害薬「ビラフトビカプセル」（エンコラフェニブ）について、BRAF遺伝子変異を有する治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんに対する抗EGFR抗体セツキシマブと化学療法との併用療法の承認を取得したと発表した。承認は、1次治療を対象に行った国際共同P3試験の結果に基づく。結腸・直腸がんではこれまで、MEK阻害薬「メクトビ錠」（ビニメチニブ）とセツキシマブとの3剤併用療法、セツキシマブとの2剤併用療法が2次治療以降を対象に承認されている。

ファイザー「アネメトロ」小児用量の追加が承認

ファイザーは11月20日、嫌気性菌感染症治療薬「アネメトロ点滴静注液」（メトロニダゾール）について、小児用量の追加に関する承認を取得したと発表した。厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で医療上の必要性が高いと判断され、厚労省がファイザーに開発を要請。今年5月に公知申請を行った。