
IQVIAは11月13日、2025年7~9月の国内医療用医薬品市場が前年同期比2.7%増の2兆9612億円だったと発表した。抗がん剤や糖尿病治療薬などが市場拡大を牽引した。製品別売上高では、MSDのがん免疫療法薬「キイトルーダ」が573億円でトップ。日本イーライリリーと田辺三菱製薬の糖尿病治療薬「マンジャロ」が前年同期比251%増の284億円を売り上げ、初めてトップ10に入った。
抗がん剤が2桁成長
市場のプラス成長は2四半期連続。昨年の7~9月は0.3%減だった。市場の内訳を見ると、病院(病床数100床以上)が1兆4275億円(前年同期比4.5%増)、開業医(病床数100床未満)が5493億円(0.7%減)、薬局その他が9843億円(2.0%増)。病院市場が抗がん剤の伸びで高い成長となった一方、開業医市場は新型コロナ検査薬・治療薬の縮小で前年同期を下回った。薬局その他も抗ウイルス薬が減少したものの、糖尿病治療薬の伸びで相殺した。
薬効別では「抗腫瘍剤」が10.9%増の5439億円でトップ。2位はGLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬が伸びる「糖尿病治療剤」(2060億円、8.8%増)、3位は「免疫抑制剤」(1600億円、1.1%減)だった。免疫抑制剤は大型品の薬価改定やバイオシミラーへのシフトが影響した。

9位の「その他中枢神経系用剤」は、アルツハイマー病治療薬「レケンビ」「ケサンラ」の拡大で16.0%増。8.1%増となった10位の「その他の骨格筋用剤」では、骨粗鬆症治療薬「イベニティ」が大きく伸びた。
マンジャロ284億円
製品別では、キイトルーダが26.2%増の573億円でトップ。2位は第一三共の抗凝固薬「リクシアナ」(412億円、10.2%増)で、3位にはサノフィとリジェネロンの抗IL-4/13受容体抗体「デュピクセント」(331億円、2.8%増)が入った。

上位10製品で最も伸び率が大きかったのは8位のGIP/GLP-1受容体作動薬マンジャロで、251.2%増の284億円を売り上げた。6位の慢性心不全・高血圧症治療薬「エンレスト」(ノバルティスファーマ/大塚製薬)は、小児加算による薬価引き上げもあって45.5%増と大幅な売り上げ増となった。




