
大塚、米社から眼科遺伝子治療薬導入
大塚製薬は10月31日、米4Dモレキュラーセラピューティクス(4DMT)と同社の眼疾患向け遺伝子治療薬「4D-150」に関するライセンス契約を結んだと発表した。4D-150は現在、4DMTが新生血管型加齢黄斑変性と糖尿病黄斑浮腫を対象に開発中。大塚は日本を含むアジア・オセアニア地域での独占的開発・販売権を取得し、一時金8500万ドル(約131億円)とマイルストン、ロイヤリティを支払う。4D-150は、アデノ随伴ウイルスベクターを使って網膜細胞に複数の治療用遺伝子を導入し、VEGFファミリーを抑制する。
第一三共、今期最終一転減益に
第一三共は10月31日、2026年3月期の最終利益が前期比2.6%減の2880億円になる見通しだと発表した。1.4%増の3000億円としていた従来予想から一転して減益となる。抗HER3抗体薬物複合体(ADC)の発売遅れに伴う製造委託先への損失補償など185億円を一過性の費用に計上したことが響く。売上収益予想は、抗HER2 ADC「エンハーツ」などの販売が好調なことを踏まえて1000億円増の2兆1000億円(前期比11.3%増)に上方修正。営業利益は150億円減の3350億円(0.9%増)、税引前利益も150億円減の3550億円(0.2%減)を見込む。
住友ファーマ、今期最終利益520億円上振れ…アジア事業売却益が想定上回る
住友ファーマは10月31日、2026年3月期の業績予想を上方修正したと発表した。修正後の予想は▽売上収益4290億円(従来予想比740億円増)▽営業利益980億円(440億円増)▽当期利益920億円(520億円増)――。前立腺がん治療薬「オルゴビクス」など北米の好調な製品販売や、アジア事業の譲渡益が想定を上回ったことを反映した。前期比では7.6%の増収、289.3%の最終増益となる。
味の素、ADC開発・製造技術をアステラスに供与
味の素は10月31日、アステラス製薬にADCの開発・製造技術を供与するライセンス契約を結んだと発表した。供与する独自技術「AJICAP(アジキャップ)」は、抗体などのタンパク質に高精度かつ安定的に薬物を結合させることができる技術。抗体の特定の部位に選択的かつ均一に薬物を結合させることができる。分子設計の自由度、品質、製造効率の向上につながるという。
「エンハーツ」HER2過剰発現非小細胞肺がん1次治療のP3開始
第一三共は10月31日、抗HER ADC「エンハーツ」(一般名・トラスツズマブ デルクステカン)について、HER2過剰発現の転移性非扁平上皮非小細胞肺がんの1次治療を対象とするグローバル臨床第3相(P3)試験を始めたと発表した。抗PD-1抗体ペムブロリズマブとの併用療法を、同薬と化学療法の併用療法と比較する。主要評価項目は無増悪生存期間。日本を含むアジア、欧州、北米、南米で686人の患者を登録する予定。
ヤンセン、タービーとテクベイリの併用療法を申請
ヤンセンファーマは10月31日、抗GPRC5D/CD3二重特異性抗体「タービー」(トアルクエタマブ)と抗BCMA/CD3二重特異性抗体「テクベイリ」(テクリスタマブ)の併用療法を申請したと発表した。適応は髄外性形質細胞腫を有する再発または難治性の多発性骨髄腫。申請は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬、抗CD38抗体による治療歴のある患者を対象に行ったP2試験に基づく。同試験では78.9%の奏効率を示した。
あゆみ製薬「ボノテオ/リカルボン」承継
あゆみ製薬は10月31日、骨粗鬆症治療薬「ボノテオ錠/リカルボン錠」(ミノドロン酸水和物)の製造販売承認を承継すると発表した。ボノテオはアステラス製薬、リカルボンは小野薬品工業が製造販売承認を保有している。いずれも2026年1月をめどに販売機能の移管を進め、その後、製造販売承認の承継を行う。
決算
第一三共(2025年4~9月期)
▽売上収益9753億5300万円(前年同期比10.5%増)▽営業利益1442億3700万円(22.8%減)▽税引前利益1632億1700万円(15.2%減)▽中間利益1308億1400万円(10.8%減)――。抗HER2 ADC「エンハーツ」の製品売り上げは3184億円(21.9%増)。抗凝固薬エドキサバンも6.8%増の1860億円と好調だった。一方、前年同期に子会社の譲渡益を計上した反動に加え、抗HER3 ADCに関する製造委託先への損失補償などを一過性の費用に計上したことで利益は減少した。26年3月期の業績予想は売上収益2兆1000億円(従来予想比1000億円増)、営業利益3350億円(150億円減)に修正。ADCの売り上げが想定を上回って推移している一方、一過性の費用によって利益予想は引き下げた。税引前利益と当期利益は従来予想から一転して減益となる。
住友ファーマ(2025年4~9月期)
▽売上収益2271億2200万円(前年同期比25.7%増)▽営業利益961億5700万円(前年同期は81億7900万円の赤字)▽中間利益988億6000万円(322億2900万円の赤字)――。北米で販売する前立腺がん治療薬「オルゴビクス」(691億円、94.7%増)や過活動膀胱治療薬「ジェムテサ」(434億円、71.9%増)が好調で、アジア事業の譲渡益を計上したことで利益が大きく増えた。26年3月期の予想は、売上収益4290億円(従来予想比740億円増)、営業利益980億円(440億円増)に上方修正。北米の好調な製品販売とアジア事業譲渡益が想定を上回ったことなどを反映した。




 
				


 
					 
					 
					 
					 
					 
								 
								
 
											 
											 
											 
											


