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スタディマネジメントの専門家集団―中外臨床研究センターの唯一無二の存在価値【AD】

更新日

中外臨床研究センター(CCRC)

中外製薬のグループ会社で、同社の臨床開発機能の一翼を担う株式会社中外臨床研究センター(Chugai Clinical Research Center=CCRC)。中外製薬と連携し、同社が国内外で行う豊富な新薬候補の臨床試験の運営を手掛けています。メーカーでもなく、CROでもない。スタディマネジメントの専門家集団が持つ、唯一無二の存在価値とは――。

 

高い専門性でスピードとクオリティを追求

CCRCの設立は2004年。中外製薬が行う臨床試験のモニタリング、データマネジメント、統計解析などを担う機能関連会社としてスタートしました。契機となったのは、2002年の中外製薬とスイス・ロシュ社との戦略的アライアンスでした。

 

「戦略的アライアンスを結んだことで、ロシュ社の開発パイプラインが一気に中外製薬に入ってくるようになり、それまで20本程度だった臨床試験があっという間に40本、50本と増えていきました。

 

しかし、それだけ多くの試験を当時の中外製薬の臨床開発の担当者だけで行うのは困難でした。しかも、当時はまだ外部のモニタリングCRO(開発業務受託機関)も成熟していない時代。そこで、効率的なモニタリングとスピーディーかつローコストな試験運営を実現するため、臨床開発のオペレーション機能の一部を中外製薬から独立させCCRCが誕生しました」(古田裕一社長)

 

大手製薬企業が臨床開発のオペレーション機能を別会社として独立させるのは極めて珍しく、そうした点でCCRCは業界でも唯一無二の存在と言えます。このような形態をとっている理由について、古田社長は「スピードとクオリティを追求するため」と話します。

 

「これだけ多くの臨床試験を行うとなると、重要になるのがスピードとクオリティです。ロシュ社と共同で行う臨床試験では特に、スピードが非常に大切になってきます。

 

CCRCは、個々の新薬候補についてかなり初期の段階から中外製薬と一緒に臨床開発業務を進めています。手掛けるのは中外製薬が行う臨床試験だけなので、疾患領域やモダリティへの理解も深い。そのため、スピーディーかつ高いクオリティで臨床試験を実行することが可能です。臨床開発のオペレーションに特化しているからこそ高度な専門性を有しており、そうした面から中外製薬の臨床開発のスピードとクオリティを支えています」(古田社長)

 

古田裕一社長

 

スタディマネジメントに注力

臨床試験をとりまく環境が大きく変化する中、CCRCも変革を重ねています。2020年には、それまで中心的な業務だったモニタリングを全面的に外部CROに委託し、自らはスタディマネジメントに軸足を移すという大きな戦略転換を行いました。

 

「国内でもCROがかなり成熟してくる中、外部CROとCCRCがモニタリングで競合していても生産性が上がらないと考えました。そこで、思い切ってモニタリングは全面的にアウトソースし、中外製薬の臨床開発本部からスタディマネジメント機能を移管してCCRCで担う形に見直しました。

 

クリニカルサイエンスに特化する中外製薬と、スタディマネジメントを中心にクリニカルオペレーションを専門とするCCRCが緊密に連携し、よりスピード感を持って、よりクオリティの高い臨床開発を行う体制へと進化させたわけです」(古田社長)

 

現在進めているスタディリーダーの移管は2027年までに完了する予定で、古田社長は「今まさに変化の真っ只中」と話します。

 

クリニカルオペレーションに特化した組織として専門性を高める中で、中外製薬の臨床開発機能におけるCCRCの役割も重要性を増しています。現在、中外製薬が行う臨床試験のスタディマネジメントの約75%をCCRCが担っており、ロシュ社からの導入品については2027年末までに100%にすることを目指しています。

 

立ち位置は「治験依頼者側」、中外とは「One Team」

CCRCは中外製薬から臨床開発業務を受託する立場であり、その点でCROであるものの、担っているのは治験依頼者側の業務であり、その存在は一般的なCROとは大きく異なります。

 

「CCRCの主な業務はスタディマネジメントであり、モニタリングが中心の一般のCROとは業務内容が違います。中外製薬では試験ごとに『スタディチーム』が結成され、CCRCもその一員として臨床試験を進めています。委受託の関係にはありますが、分け隔てや上下関係のようなものはなく、1つのチーム、1つの目標に向かう仲間として仕事をしています」(北田英樹・オンコロジー開発部長)

 

北田英樹オンコロジー開発部長

 

中外製薬がロシュ・グループの一員であるという点も、CCRCの独特な立ち位置を特徴づける1つの大きな要素です。ロシュ製品の臨床試験では国内試験を担当する一方、中外創製品ではProof of Concept(研究段階で構想した薬効がヒトでも有効性を持つことを実証すること)を取得するまでの早期臨床開発でグローバルをリードする立場になり、CCRCが担う業務のレベルや範囲も高くなります。

 

「ロシュ製品ではロシュ社がグローバルスタディをリードし、中外側では参加国として日本における試験マネジメントを担当しますが、ヘッドクオーターはあくまでロシュ社なので、日本側でやることは少し限られます。

 

一方、中外創製品の場合、早期開発においては中外側でグローバルスタディをリードすることになり、中外製薬のさまざまな関連機能と密に連携してグローバルで動かさなければならず、CCRCの仕事や影響の範囲も変わってきます。今のところ、中外創製品の早期グローバル開発のうちCCRCが担っている役割はまだ一部ですが、中外製薬の欧米やアジア・オセアニアの拠点との連携をCCRCが担うケースもすでに出てきています」(犬塚慎介・スペシャリティ開発部長)

 

犬塚慎介スペシャリティ開発部長

 

自ら学び、互いに高め合う組織風土

スタディマネジメントの専門家集団として、中外製薬の臨床開発において重要な役割を果たしているCCRC。スピードと質の両面から臨床試験を支え、中外製薬やロシュ社の革新的新薬をいち早く患者に届けることに貢献しています。そうした存在価値の拠り所となるのが高度な専門性。自ら学び、互いに高め合う組織風土がそれを育んでいます。

 

「基本的な育成システムは中外製薬と同じで、CCRCではクリニカルオペレーションに特化したトレーニングを行っています。スキルセットは明文化していますし、ロールプレイングなどの研修も充実しています。

 

特に評判が高いのがOJT(On-the-Job Training)です。面倒見の良い社員が多く、責任を持って人財を育てようという意識が根付いています。中堅層が自らの現場経験で得たことを積極的に若手に伝えていこうという風土もあります」(犬塚部長)

 

「中外製薬グループでは社員の自律性や主体性を重視しており、CCRCでも『自分たちのレベルアップのために必要なことを自分たちで考えていこう』というカルチャーを大切にしています。

 

自ら主体的に学ぶことはもちろん、『これを共有したら皆の役に立ちそうだ』ということを皆が考えていて、研修や勉強会のテーマも社員からどんどん提案があります。会社の規模的にもそうしたことに取り組みやすい空気があり、社員が互いに学び合い、ともに育つことで、専門性を高めています」(北田部長)

 

クリニカルオペレーションで業界をリード

CCRCは今後、人財採用を強化しながら組織のケイパビリティを高め、規模と質の両面で自らの機能にさらに磨きをかけていく考えです。

 

「まずは予定通り2027年までにロシュ製品の臨床試験のオペレーションを完全にCCRCで担えるようにし、2030年代には中外創製品のグローバル開発の多くを受託できるようにしたいです。そのころには、中外製薬の臨床開発機能の中枢をCCRCが担っている、今以上に中外製薬の臨床開発になくてはならない存在になりたいと考えています」(古田社長)

 

ロシュ社との戦略的アライアンスから20年以上が経ち、中外製薬は高い創薬力と著しい業績拡大で業界でも一目置かれる存在となりました。犬塚部長は「それと同時に業界における責任も増している」とし、日本全体の治験環境の整備・改善にも取り組んでいきたいと話します。

 

「ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスが社会的な課題となる中、自分たちの臨床試験だけ上手くいけばいいという姿勢ではいけないと思っており、臨床試験をめぐる課題の解決にぜひ取り組んでいきたいです。『中外さんがそう言うならトライしてみましょうか』と医療機関や他社の方々に言っていただけるような存在になりたいと思っていますし、そうすることで、我々の薬はもちろん他社の薬も、日本の患者さんに早く届けることに貢献できたらと思います」(犬塚部長)

 

「臨床試験の世界では昨今、治験エコシステムという言葉が盛んに言われています。治験の効率化、患者さんのアクセス改善という大きな動きの中、臨床開発のオペレーションで業界をリードしていきたいです。

 

たとえば、CCRCはDCT(分散型臨床試験)に率先して取り組んでおり、業界団体でも中外製薬の代表として普及に向けた活動を積極的に行っています。CCRCはそうした分野で業界を引っ張る立場にあると思いますし、これからもそうあり続けたいと考えています」(北田部長)

 

【中外臨床研究センター 会社概要】設立/2004年9月|資本金/5000万円|社員数/132人(2025年1月1日現在)|本社所在地/東京都中央区日本橋本町2-2-5 日本橋本町2丁目ビル|事業内容/臨床開発業務の受託|

会社HP:https://ccrc.chugai-pharm.co.jp/index.html
公式note:https://note.com/chugai_ccrc

 

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