
IQVIAは8月19日、2025年4~6月の国内医療用医薬品市場が前年同期比2.3%増の2兆8813億円だったと発表した。抗がん剤の伸びが回復し、糖尿病治療薬の販売が増加したことなどが市場拡大につながった。製品別では、MSDのがん免疫療法薬「キイトルーダ」が558億円でトップだった。
抗がん剤や糖尿病薬が牽引
市場の内訳は、▽病院(病床数100床以上)1兆3978億円(前年同期比3.6%増)▽開業医(病床数100床未満)4930億円(0.7%増)▽薬局その他9906億円(1.2%増)――。25年1~3月期は市場全体で0.6%減だったが、2四半期ぶりに前年を上回った。
薬効別では「抗腫瘍剤」が5343億円(6.5%増)でトップ。抗腫瘍剤市場は24年4~6月以降、1%を下回る低成長が続いていたが、伸びを回復した。2位はGLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬が伸びた「糖尿病治療剤」(2090億円、7.4%増)、3位は「免疫抑制剤」(1598億円、0.8%減)だった。

上位10薬効で最も伸びが大きかったのは10.8%増の「その他の中枢神経系用剤」。アルツハイマー病治療薬「レケンビ」(349.2%増)などが市場拡大に寄与した。4~6月期としては新たにランクインした8位の「その他の骨格筋用剤」は、骨粗鬆症治療薬「イベニティ」が市場拡大をリード。同じく新たにランクインした10位の「血液凝固系用剤」は、血友病治療薬「ヘムライブラ」や同「オルツビーオ」が伸びた。
エンレストやジャディアンスが30%超の伸び
製品別では、キイトルーダが18.3%増の558億円でトップ。2位は第一三共の抗凝固薬「リクシアナ」(416億円、9.5%増)、3位は小野薬品工業のがん免疫療法薬「オプジーボ」(329億円、9.3%減)だった。上位10製品のうち6位までは前年同期と同じだった。

上位10製品で最も伸びが大きかったのは、8位に入った心不全・高血圧症治療薬「エンレスト」(38.6%増)。小児適応の追加によって今年4月の薬価改定で薬価が引き上げられたことも売り上げを押し上げた。9位に入ったSGLT2阻害薬「ジャディアンス」も慢性腎不全への適応拡大などによって31.6%増と高い伸びとなった。




 
				


 
					 
					 
					 
					 
								 
								
 
											 
											 
											 
											 
											


