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トピックス

国内製薬 新薬パイプラインのステージアップ・開発中止まとめ―26年3月期1Q/25年12月期2Q【随時更新】

更新日

AnswersNews編集部

国内製薬各社の2026年3月第1四半期、25年12月期第2四半期の決算発表から、主な新薬開発パイプラインの動きをピックアップ。随時更新(公開日:7月25日、最終更新:8月8日)。

 

 

参天製薬(26年3月期1Q、8月7日発表)

申請

【日本】STN1013900(一般名・ネタルスジルメシル酸塩)|緑内障・高眼圧症

Rhoキナーゼとノルエピネフリン・トランスポーターを阻害する点眼薬。眼内の主要な房水排出経路である線維柱帯からの房水流出促進、房水産生抑制、上強膜静脈圧低下の作用を持つ。7月に日本で申請。

 

【アジア】STN1012700/DE-127(アトロピン硫酸塩水和物)|近視

小児の近視の進行を抑制するムスカリン受容体拮抗薬。7月にアジアで申請。日本では「リジュセアミニ」の製品名で今年4月から販売している。

 

エーザイ(26年3月期1Q、8月5日発表)

承認

【欧州】レケンビ(一般名・レカネマブ)|早期アルツハイマー病

抗アミロイドβプロトフィブリル抗体。「ApoEε4非保有またはヘテロ接合体の成人のアルツハイマー病による軽度認知障害または軽度認知症」を対象に4月に欧州で承認。

 

【中国】デエビゴ(レンボレキサント)|不眠症

オレキシン受容体拮抗薬。5月に中国で承認。

 

【中国】レンビマ(レンバチニブ)|肝細胞がん(適応拡大)

マルチキナーゼ阻害薬。抗PD-1抗体ペムブロリズマブ、肝動脈化学塞栓療法との併用療法が7月に中国で承認。日米欧ではP3試験の段階にある。

 

申請

【英国・韓国・中国】レケンビ|早期アルツハイマー病の維持療法(用法用量追加)

点滴静注による維持投与の用法用量追加について、英国(4月申請受理)、韓国(5月申請)、中国(6月申請受理)で申請。

 

開発中止

【日米欧中】レンビマ|食道がん(P3)

ペムブロリズマブとの併用で食道がんファーストラインを対象としたP3試験を行っていたが、独立データモニタリング委員会の勧告に従い中止。

 

あすか製薬HD(26年3月期1Q、8月4日発表)

P3開始

【日本】AKP-022(一般名・レルゴリクス/酢酸ノルエチステロン)|子宮内膜症

武田薬品工業から導入したGnRH受容体拮抗薬レルゴリクスの配合剤。子宮内膜症を対象としたP3試験を開始。子宮筋腫の適応でもP3試験が進行中。

 

小野薬品工業(26年3月期1Q、8月1日発表)

承認

【日本】「オプジーボ」(一般名・ニボルマブ)|肝細胞がん(適応拡大)

抗PD-1抗体。抗CTLA4抗体「ヤーボイ」(イピリムマブ)との併用療法について、切除不能な肝細胞がんを対象に6月に日本で承認を取得。肝細胞がん1次治療を対象としたヤーボイとの併用療法は、7月に韓国と台湾でも承認を取得した。

 

開発中止

【日本】ONO-7475(tamnorzatinib)|非小細胞肺がん(P1)

自社創製のAxl/Mer阻害薬。EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの1次治療を対象に日本でP1試験を行っていたが、戦略上の理由で開発を中止。

 

田辺三菱製薬(8月1日発表)

P1/2開始

【グローバル】MT-4561|進行性固形がん

BRD4分解誘導薬。5月に米国でP1/2試験を開始。

 

持田製薬(26年3月期1Q、8月1日発表)

承認

【日本】リアルダ(一般名・メサラジン)|潰瘍性大腸炎(小児適応)

5-アミノサリチル酸製剤。小児に対する用法・用量が6月に承認。

 

【日本】モチジェル|関節軟骨損傷

アルギン酸ナトリウムを主成分とする医療機器。軟骨損傷部に重点し、軟骨の再生を促す。新たな柱として期待するバイオマテリアル事業で国内初の製品。

 

大塚HD(25年12月期2Q、7月31日発表)

申請

【米国】INQOVI(一般名・decitabine/cedazuridine)|急性骨髄性白血病(適応拡大)

DNAメチル化酵素阻害薬とシチジンデアミナーゼ阻害薬の配合剤。強力な寛解導入療法が適さない成人の急性骨髄性白血病に対するベネトクラクスとの併用療法を米国で申請。

 

P2/3開始

【日本】EB-1020(センタナファジン)|注意欠陥・多動性障害

ノルエピネフリン・ドパミン・セロトニン再取り込み阻害薬。日本でP2/3試験を開始。

 

P1開始

【日本】TAS6417(ジパレルチニブ)|非小細胞肺がん

EGFR阻害薬。中国Haihe Biopharmaとライセンス契約を結ぶMET阻害薬「ハイイータン」(グマロンチニブ)との併用療法について、非小細胞肺がんを対象としたP1試験を日本で開始。

 

【日本】TAS6417|非小細胞肺がん

大鵬薬品工業が創製したHSP90阻害薬「ジェセリ」(ピミテスピブ)との併用療法について、非小細胞肺がんを対象としたP1試験を日本で開始。

 

【日本】TAS6417|非小細胞肺がん

米アーカス・バイオサイエンシズから導入したCD73阻害薬「AB680」(quemliclustat)との併用療法について、非小細胞肺がんを対象としたP1試験を日本で開始。

 

開発中止

【米国】EB-1020|大うつ病(P2)

開発戦略上の理由で中止。

 

【米国】ASTX029|固形がん(P1/2)

ERK1/2阻害薬。開発戦略上の理由でMosaic Therapeutics(カナダ)に導出。

 

【米国】ASTX295|固形がん(P1/2)

MDM2阻害薬。開発戦略上の理由でMosaic Therapeuticsに導出。

 

【米国】TAS1440|急性骨髄性白血病(P1)

LSD1阻害薬。開発戦略上の理由でBenz Sciencesに導出。

 

【日本】OPC-131461|心性浮腫(P2)

V1a/V2デュアルアンタゴニスト。開発戦略上の理由で中止。

 

第一三共(26年3月期1Q、7月31日発表)

承認

【米国】ダトロウェイ(一般名・ダトポタマブ デルクステカン)|非小細胞肺がん(適応拡大)

抗TROP2抗体薬物複合体(ADC)。米国で6月、「EGFR標的療法およびプラチナベースの化学療法の前治療歴のある、EGFR遺伝子変異を有する局所進行または転移性の非小細胞肺がん」への適応拡大が迅速承認。

 

P3開始

【日米亜】エンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)|卵巣がん(適応拡大)

抗HER2 ADC。HER2発現卵巣がんの1次維持療法を対象としたP3試験を5月に開始。

 

【日米欧亜】エンハーツ|子宮内膜がん(適応拡大)

HER2発現のミスマッチ修復機構が正常(pMMR)な原発性進行・再発子宮内膜がんの1次治療への適応拡大に向けたグローバルP3試験を6月に開始。

 

【日米欧亜】DS-7300(イフィナタマブ デルクステカン)|食道扁平上皮がん

抗B7-H3 ADC。食道扁平上皮がんの2次治療を対象とするグローバルP3試験を5月に開始。

 

【日米亜】DS-7300|前立腺がん

化学療法歴のない転移性去勢抵抗性前立腺がんを対象とするグローバルP3試験を6月に開始。

 

P1/2開始

【米亜】U3-1402(パトリツマブ デルクステカン)|肝芽腫または横紋筋肉腫

抗HER3 ADC。再発・治療抵抗性の小児の肝芽腫または横紋筋肉腫を対象としたP1/2試験を6月に開始。

 

【米欧亜】U3-1402|非小細胞肺がん

ステージ4の非小細胞肺がんの1次治療を対象としたP1/2試験を6月に開始。

 

【米欧亜】DS-6000(ラルドタツグ デルクステカン)|高悪性度漿液性上皮卵巣がん、原発性腹膜がん、卵管がん

抗CDH6 ADC。プラチナ製剤治療後に再発した高悪性度漿液性上皮卵巣がん、原発性腹膜がん、卵管がんを対象としたP1/2試験を4月に開始。

 

申請取り下げ

【米国】U3-1402|非小細胞肺がん

EGFR遺伝子変異を有する局所進行または転移性非小細胞肺がんでの米国申請を自主的に取り下げ。P2試験の結果をもとに2023年12月に申請を行ったが、副次評価項目の全生存期間で有意な改善を示さなかったP3試験の結果をもとに、FDAとの協議内容を踏まえて決定した。

 

開発中止

DS-1055|固形がん(P1)

抗GARP抗体。期待していた効果が得られず、大幅なタイムライン遅延と競合状況の変化によって競争力が失われるため開発を中止。

 

協和キリン(25年12月期2Q、7月31日発表)

P1開始

【日本】KK3910|本態性高血圧

自社創製の抗体医薬。グローバル開発品として日本でP1試験を開始。

 

旭化成(26年3月期1Q、7月31日発表)

P3開始

【日本】リコモジュリン(一般名・トロンボモデュリン アルファ)|化学療法誘発性末梢神経障害(適応拡大)

ヒトトロンボモジュリン製剤。「化学療法誘発性末梢神経障害の感覚異常症状の発症抑制」への適応拡大に向けたP3試験を開始。

 

杏林製薬(26年3月期1Q、7月31日発表)

開発中止

【日本】AKP-009|前立腺肥大症(P2)

あすか製薬と共同開発と販売に関する契約を結んでいたが、開発戦略上の理由から提携を解消し、パイプラインから削除。

 

武田薬品工業(26年3月期1Q、7月30日発表)

承認

【米国、欧州】GAMMAGARD LIQUID ERC/DEQSIGA|原発性免疫不全症候群

IgA低含有の液状免疫グロブリン製剤。米国(製品名・GAMMAGARD LIQUID ERC)で6月、欧州(同・DEQSIGA)で5月に承認。

 

【欧州】アドセトリス(一般名・ブレンツキシマブ ベドチン)|ホジキンリンパ腫(適応拡大)

抗CD30抗体薬物複合体(ADC)。欧州で6月、リスク因子を有するIIb期およびIIIまたはIV期の新規診断を受けたホジキンリンパ腫成人患者に対するエトポシド、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ダカルバジン、デキサメタゾン(ECADD)との併用療法が承認。

 

【日本】ハイキュービア|慢性炎症性脱髄性多発根神経炎・多巣性運動ニューロパチー(適応拡大)

皮下注用人免疫グロブリンとボルヒアルロニダーゼ アルファの組み合わせ製剤。6月に日本で適応拡大が承認。

 

申請

【日米欧】ボンベンディ(ボニコグ アルファ)|フォン・ヴィレブランド病(小児適応)

遺伝子組換えフォン・ヴィレブランド製剤。18歳未満への適応拡大を4月に欧州、5月に米国、6月に日本で申請。

 

P1開始

TAK-168/KQB168|固形がん

米Kumquat Biosciencesとの提携で開発している免疫調整薬。固形がんを対象に、Kumquat主導のP1試験がスタート。

 

開発中止

TAK-012|急性骨髄性白血病(P1)

細胞治療。急性骨髄性白血病での開発を終了し、ほかのがんを対象とした開発の可能性を検討している。

 

アステラス製薬(26年3月期1Q、7月30日発表)

開発中止

パドセブ(一般名・エンホルツマブ ベドチン)|筋層非浸潤膀胱がん(P1)、その他の種類の固形がん(P2)

ネクチン-4を標的とする抗体薬物複合体(ADC)。筋層非浸潤膀胱がんを対象にP1試験、その他の種類の固形がんを対象にP2試験を行っていたが、これまで得られたデータを踏まえて総合的に検討した結果、適応拡大に向けた開発を中止。

 

ASP1012|がん(P1)

米KaliVir Immunotherapeuticsとの提携で開発を進めてきた腫瘍溶解性ウイルス。P1試験を行っていたが、開発を中止。

 

塩野義製薬(26年3月期1Q、7月28日発表)

申請

【欧州】ゾコーバ(一般名・エンシトレルビル フマル酸)|新型コロナウイルス感染症の治療

自社創製の経口3CLプロテアーゼ阻害薬。12歳以上の治療の適応で6月に欧州で申請。

 

【日本】ゾコーバ|新型コロナウイルス感染症の治療(適応拡大)

6~11歳かつ体重20kg以上の小児に対する用法・用量を6月に日本で申請。

 

【米国、欧州】ゾコーバ|新型コロナウイルス感染症の曝露後予防

6月に米国と欧州で曝露後予防の適応を申請。日本では3月に申請済み。

 

【中国】スインプロイク(ナルデメジントシル酸塩)|オピオイド誘発性便秘症

自社創製の末梢性オピオイド受容体アンタゴニスト。中国で5月に申請。

 

P1開始

S-898270|アルツハイマー型認知症

自社創製の経口ホスホジエステラーゼ4D(PDE4D) 阻害薬。

 

中外製薬(25年12月期2Q、7月24日発表)

承認

【日本】エレビジス(一般名・デランジストロゲン モキセパルボベク)|デュシェンヌ型筋ジストロフィー

デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する遺伝子治療薬。5月に日本で再生医療等製品として条件・期限付き承認を取得。対象は3歳以上8歳未満の歩行可能な患者だが、海外では投与を受けた歩行不能な患者で死亡例が報告されており、安全性への懸念から日本では薬価収載の議論がストップしている。ロシュとサレプタ・セラピューティクスは出荷を一時停止している。

 

【日本】バビースモ(ファリシマブ)|網膜色素線条(適応拡大)

抗VEGF/Ang-2二重特異性抗体。5月に「脈絡膜新生血管を伴う網膜色素線条」への適応拡大が承認。同適応での治療薬の承認は国内初。

 

申請

【日本】ルンスミオ(モスネツズマブ)|アグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫(適応拡大)

抗 CD20/CD3バイスペシフィック抗体。5月に再発・難治性のアグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫に対する抗CD79b抗体薬物複合体「ポライビー」(ポラツズマブ ベドチン)との併用療法を申請。

 

【日本】テセントリク(アテゾリズマブ)|胸腺がん(適応拡大)

がん免疫療法薬の抗PD-L1抗体。5月に胸腺がんへの適応拡大を申請した。

 

【日本】アレセンサ(アレクチニブ塩酸塩)|ALK融合遺伝子陽性固形がん(適応拡大)

自社創製のALK阻害薬。小児を含むALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の固形がんへの適応拡大を6月に申請した。承認されれば、ALK融合遺伝子陽性固形がんに対する世界初のがん種横断の治療薬となる見込み。申請は、ALK遺伝子異常を有する希少がんを対象に行った医師主導国内第3相(P3)試験の結果に基づく。

 

P3開始

【グローバル】ヘムライブラ(エミシズマブ)|フォン・ヴィレブランド病(適応拡大)

自社創製の抗血液凝固第IXa/X因子二重特異性抗体。6月にフォン・ヴィレブランド病を対象としたグローバルP3試験を開始。

 

【日本】バビースモ|非増殖糖尿病網膜症(適応拡大)

日本で適応拡大に向けたP3試験を開始。

 

P1開始

【日本】RG6114|PIK3CA遺伝子変異陽性乳がん

ロシュから導入した経口PI3Kα阻害剤。日本でもパルボシクリブ、フルベストラントとの併用でP1/2試験がスタート。

 

【グローバル】AUBE00|固形がん

自社創製の中分子のpan-KRAS阻害薬。KRAS選択的な阻害活性に基づく広い治療域により、先行して開発していた中分子のpan-RAS阻害薬「LUNA18」を上回る高い薬効が期待されるという。

 

開発中止

【日本】RG6058(チラゴルマブ)|食道がん(P3)

ロシュから導入した抗TIGIT抗体。テセントリクとの併用で食道がん対象のP3試験を進めていたが、開発を中止。

 

【グローバル】AMY109|子宮内膜症(P2)

自社創製の抗IL-8リサイクリング抗体。これまでに得られているデータとポートフォリオの状況を踏まえて自社開発を中止。

 

【グローバル】LUNA18|固形がん(P1)

自社創製した中分子のRAS阻害薬。同様の理由で自社開発を中止。

 

【グローバル】STA551|固形がん(P1)

自社創製の抗CD137アゴニストスイッチ抗体。同様の理由で自社開発を中止。

 

【グローバル】SOF10|固形がん(P1)

自社創製の抗潜在型TGF-β1抗体。同様の理由で自社開発を中止。

 

【グローバル】SAIL66|CLDN6陽性固形がん(P1)

自社創製の抗CLDN6/CD3/CD137トリスペシフィック抗体。同様の理由で開発を中止。

 

AnswersNews編集部が製薬企業をレポート

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