
武田薬品工業は9月4日、バイオベンチャーのノイルイミューン・バイオテック(東京都中央区)と、次世代型のキメラ抗原受容体発現T細胞療法(CAR-T細胞療法)に関する提携契約を結んだと発表した。ノイルイミューンの基盤技術を活用し、固形がんに有効なCAR-T細胞療法の研究開発を進める。
ノイルイミューンは国立がん研究センター・山口大発のベンチャーで、同大の玉田耕治教授が開発した次世代型のCAR-T細胞療法技術を持つ。この技術は、サイトカインやケモカインなどを産生する機構を有しており、固形がん組織の微小環境に影響を与えたり、変化させたりすることが期待されるという。
両社は契約に基づいて共同研究を行う。武田は共同研究に必要なリソースを提供するとともに、ノイルイミューンに技術アクセス料を支払い、株式投資も行う。武田は共同研究される複数のパイプラインに加え、ノイルイミューンの一部パイプラインの開発・販売権を独占的に獲得するオプション権を持つ。
CAR-T細胞療法は、患者から取り出したT細胞に、がん細胞表面の抗原を認識しやすくするよう遺伝子改変を加えた上で患者の体内に戻す治療法で、次世代のがん免疫療法薬として期待されている。8月30日には、米FDAがスイス・ノバルティスの「キムリア」をCAR-T細胞療法薬として世界で初めて承認(適応は小児・若年者の急性リンパ性白血病)。同28日には、米ギリアド・サイエンシズがCAR-T細胞療法を開発する米カイト・ファーマを119億ドル(約1兆3000億円)で買収すると発表するなど、開発競争も激しさを増している。
日本では今年1月、第一三共がカイト・ファーマの開発品を日本で独占的に開発・製造・販売する権利を獲得。ノバルティスも「キムリア」の開発を進めている。
AnswersNews編集部が製薬企業をレポート
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