
海外大手製薬企業の2025年12月期決算のハイライトを、コンパクトなビジュアルを交えてまとめます。随時更新(公開:1月23日、最終更新:3月10日)。
独バイエル(3月4日発表)

▽医薬品事業の売上高 178億2900万ユーロ(約3兆2562億円、前期比1.7%増)
▽同事業の特別項目控除前EBITDA 45億2500万ユーロ(約8257億円、4.2%減)
前立腺がん治療薬「ニュベクオ」(売上高23億8500万ユーロ、56.6%増)や腎不全・心不全治療薬「ケレンディア」(8億2900万ユーロ、79.0%増)などが伸びたものの、抗凝固薬「イグザレルト」が特許切れの影響で32.6%の減収。最主力品の眼科用VEGF阻害薬「アイリーア」も5.9%の売り上げ減となった。減収に加え、販売費や研究開発費の増加が利益を押し下げた。26年12月期の医薬品事業は、為替の影響を除いて0~3%の売上高の増加を見込む。
米ヴィアトリス(2月26日発表)

▽売上高 142億9990万ドル(約2兆2314億円、前期比3%減)
▽純利益 35億1490万ドルの赤字(約5484億円の赤字、前期は6億3420万ドルの赤字)
ブランド薬、後発医薬品ともに前年の売り上げを下回り、のれんの減損によって赤字が拡大した。26年12月期は売上高144億5000万~149億5000万ドルと増収を見込む。
スイス・サンド(2月25日発表)

▽売上高 110億8600万ドル(約1兆7332億円、前期比7%増)
▽純利益 9億1400万ドル(約1428億円、前期は100万ドル)
後発医薬品、バイオシミラーともに売り上げが前年を上回り、特にバイオシミラーは15%増と好調だった。増収に加え、ノバルティスからの分社化に関連する費用が減少したことで大幅な増益となった。26年12月期は為替の影響を除いて1桁台半ば~後半の増収を見込む。
米バーテックス・ファーマシューティカルズ(2月12日発表)

▽売上高 120億130万ドル(約1兆8424億円、前期比8.9%増)
▽純利益 39億5320万ドル(約6068億円、前期は5億3560万ドルの赤字)
主力の嚢胞性線維症治療薬「TRIKAFTA/KAFTRIO」が103億1270万ドル(前期比0.7%増)を売り上げ、2024年末承認の同「ALYFTREK」も8億3780万ドルを販売。買収で費用がかさんだ前期から黒字に転換した。26年12月期は129.5億~131億ドルの売上高を見込む。
英アストラゼネカ(2月10日発表)

▽売上高 587億3900万ドル(約8兆9676億円、前期比9%増)
▽純利益 102億3300万ドル(約1兆5625億円、45%増)
SGLT2阻害薬「フォシーガ」(84億500万ドル、10%増)、がん領域の「タグリッソ」(72億5400万ドル、10%増)や「イミフィンジ」(60億6300万ドル、29%増)といった主要製品が売り上げを拡大。増収によって利益も大幅に増えた。26年12月期は為替変動の影響を除いて1桁台半ば~後半の増収を見込む。
米ギリアド・サイエンシズ(2月10日発表)

▽売上高 294億4300万ドル(前期比2.4%増)
▽純利益 85億1000万ドル(1672.9%増)
前期に買収関連費用や開発品の減損損失を計上した反動で大幅な増益。主力の抗HIV薬は「ビクタルビ」が143億3400万ドル(6.8%増)、「デシコビ」が27億5800万ドル(30.5%増)。抗がん剤「トロデルビ」は13億9700万ドル(6.2%増)だった。26年12月期は製品売上高で296億~300億ドル(前期は289億ドル)を見込む。
米バイオジェン(2月6日発表)

▽売上高 98億9060万ドル(約1兆5475億円、前期比2.2%増)
▽純利益 12億9290万ドル(約2022億円、20.8%減)
主力の多発性硬化症治療薬の製品群が売り上げを落とす一方、アルツハイマー病治療薬の提携収入が大幅に増加。ライセンスや提携に関連する費用がかさみ、利益は落ち込んだ。26年12月期は1桁台半ばの減収を見込む。
米ブリストル・マイヤーズスクイブ(2月5日発表)

▽売上高 481億9400万ドル(約7兆5684億円、前期比0.2%減)
▽純利益 70億5400万ドル(約1兆1078億円、前期は89億4800万ドルの赤字)
買収費用がかさんで赤字となった前期から黒字に転換した。がん免疫療法薬「オプジーボ」の売上高は100億4900万ドル(8%増)。赤血球成熟促進薬「レブロジル」(23億2700万ドル、31%増)やCAR-T細胞療法「ブレヤンジ」(13億5800万ドル、82%増)など成長製品が伸びたが、血液がん治療薬「レブラミド」「ポマリスト」など成熟製品の減収が響いた。26年12月期は売上高460億~475億ドルと減収を見込む。
米イーライリリー(2月4日発表)

▽売上高 651億7900万ドル(約10兆2271億円、前期比45%増)
▽純利益 206億4000万ドル(約3兆2388億円、95%増)
糖尿病治療薬「マンジャロ」が229億6500万ドル(99%増)、同一成分の肥満症治療薬「ゼップバウンド」が135億4200万ドル(175%増)と大幅に売り上げを拡大。抗がん剤「ベージニオ」も57億2300万ドル(8%増)と好調だった。26年12月期は売上高800億~830億ドルと大幅な増収を見込む。
米アッヴィ(2月4日発表)

▽売上高 611億6000万ドル(約9兆5927億円、前期比8.6%増)
▽純利益 42億2600万ドル(約6628億円、1.2%減)
主力とする免疫領域の「スキリージ」(175億6200万ドル、49.9%増)と「リンヴォック」(83億400万ドル、39.1%増)が売り上げを拡大した。26年12月期は、調整後希薄化後のEPS(1株あたり純利益)で14.37~14.57ドル(前期は10.00ドル)と増益を予想する。
スイス・ノバルティス(2月4日発表)

▽売上高 545億3200万ドル(約8兆5555億円、前期比8%増)
▽純利益 139億6700万ドル(約2兆1913億円、17%増)
心不全・高血圧症治療薬「エンレスト」の売上高は77億4800万ドル(1%減)でわずかに前年を下回ったものの、乾癬治療薬「コセンティクス」(66億6800万ドル、9%増)や乳がん治療薬「キスカリ」(47億8300万ドル、58%増)、多発性硬化症治療薬「ケシンプタ」(44億2600万ドル、37%増)など主要製品が好調だった。26年12月期は為替変動の影響を除いて1桁台前半の増収を見込む。
英グラクソ・スミスクライン(2月4日発表)

▽売上高 326億6700万ポンド(約6兆9812億円、前期比4%増)
▽純利益 57億1600万ポンド(約1兆2216億円、122%増)
主力のHIV製品の売上高は76億8700万ポンド(8%増)。気管支喘息などの治療薬「ヌーカラ」(20億800万ポンド、13%増)や帯状疱疹ワクチン「シングリックス」(35億5800万ポンド、6%増)なども堅調だった。26年12月期は3~5%の売上高成長を見込む。
米メルク(2月3日発表)

▽売上高 650億1100万ドル(約10兆1500億円、前期比1%増)
▽純利益 182億5400万ドル(約2兆8499億円、7%増)
主力のがん免疫療法薬「キイトルーダ」の売上高は316億8000万ドル(7%増)。肺動脈性肺高血圧症治療薬「WINREVAIR(日本製品名エアウィン)」(14億4300万ドル、244%増)や肺炎球菌ワクチン「キャップバックス」(7億5900万ドル、682%増)など新製品も伸びた。26年12月期は売上高655億~670億ドルと増収を見込む。
米ファイザー(2月3日発表)

▽売上高 625億7900万ドル(約9兆7703億円、前期比2%減)
▽純利益 77億7100万ドル(約1兆2134億円、3%減)
新型コロナウイルスワクチン・治療薬が落ち込んだが、これを除くと6%の増収。抗凝固薬「エリキュース」(79億6100万ドル、8%増)、心アミロイドーシス治療薬「ビンダケルファミリー」(63億8000万ドル、17%増)、肺炎球菌ワクチン「プレベナーファミリー」(64億9400万ドル、1%増)など主力製品が堅調だった。26年12月期は、売上高595億~625億ドルを見込む。
デンマーク・ノボノルディスク(2月3日発表)

▽売上高 3090億6400万デンマーククローネ(約7兆6530億円、前期比6%増)
▽純利益 1024億3400万デンマーククローネ(約2兆5365億円、1%増)
主力の糖尿病治療薬「オゼンピック」の売上高は1270億8900万デンマーククローネ(6%増)、同一成分の肥満症治療薬「ウゴービ」は791億600万デンマーククローネ(36%増)。競争激化の影響で両剤の伸びは鈍化した。26年12月期は為替変動の影響を除く調整後売上高が5~13%減少すると予想。米国での価格引き下げが響く。
米アムジェン(2月3日発表)

▽売上高 367億5100万ドル(約5兆7385億円、前期比10%増)
▽純利益 77億1100万ドル(約1兆2040億円、89%増)
高コレステロール血症治療薬「レパーサ」(30億1600万ドル、36%増)や骨粗鬆症治療薬「イベニティ」(21億ドル、34%増)などが好調だった。26年12月期の売上高予想は370億~384億ドル。
米リジェネロン(1月30日発表)

▽売上高 143億4300万ドル(約2兆2509億円、前期比1%増)
▽純利益 45億500万ドル(約7070億円、前期比2%増)
眼科用VEGF阻害薬「アイリーア」の米国販売が落ち込んだものの、アトピー性皮膚炎などの治療薬「デュピクセント」の販売拡大で仏サノフィからの提携収入が前期比30%増の58億8400万ドルと大幅に増加した。
スイス・ロシュ(1月29日発表)

▽売上高 615億1600万スイスフラン(約12兆3188億円、前期比2%増)
▽純利益 137億9900万スイスフラン(約2兆7636億円、50%増)
医薬品部門の売上高は476億6900万スイスフラン(3%増)。多発性硬化症治療薬「オクレバス」(70億1000万スイスフラン、9%増)、血友病治療薬「ヘムライブラ」(47億5400万スイスフラン、11%増)、眼疾患治療薬「バビースモ」(41億200万スイスフラン、12%増)など主力製品が好調だった。前年に減損損失を計上した反動で利益も大幅に増加。26年12月期は売上高が1桁台半ばの増加、1株あたりコア利益が1桁台後半の増加を見込む(いずれも為替変動の影響を除く)。
仏サノフィ(1月29日発表)

▽売上高 436億2600万ユーロ(約8兆99億円、前期比6.2%増)
▽純利益 78億1300万ユーロ(約1兆4343億円、40.5%増)
アトピー性皮膚炎などの治療薬「デュピクセント」の売上高は157億1400万ユーロ(20.2%増)。血友病治療薬「オルツビーオ」なども好調だった。26年12月期は、為替変動の影響を除いて1桁台後半の増収を予想。1株あたり純利益(EPS)は売上高を若干上回る成長率を見込む。
イスラエル・テバ(1月28日発表)

▽売上高 172億5800万ドル(約2兆6547億円、4.3%増)
▽純利益 14億1000万ドル(前期は16億3900万ドルの赤字)
ハンチントン病などの治療薬「オーステド」が22億6000万ドル(現地通貨ベースで34%増)を売り上げたほか、片頭痛治療薬「アジョビ」も30%増の6億7300万ドルと大きく伸びた。後発医薬品は米国で2%増となった一方、欧州で2%減、その他市場で2%減。26年12月期は売上高164~168億ドルを見込む。
米ジョンソン・エンド・ジョンソン(1月21日発表)

▽売上高 941億9300万ドル(約14兆9240億円、前期比6.0%増)
▽純利益 268億400万ドル(約4兆2470億円、90.6%増)
イノベーティブメディスン事業の売上高は604億100万ドル(6.0%増)だった。主力の多発性骨髄腫治療薬「ダラザレックス」の売上高は前期比23.0%増の143億5100万ドル。前立腺がん治療薬「アーリーダ」(35億7400万ドル、19.2%増)やCAR-T細胞療法製品「カービクティ」(18億8700万ドル、95.9%増)、乾癬などの治療薬「トレムフィア」(51億5500万ドル、40.5%増)などが好調だった。26年12月期は売上高1000億~1010億ドル(6.2~7.2%増)を予想。利益は調整後EPS(1株あたり純利益)で5.9~7.9%の増加を見込む。





