日本化薬、医薬品のアジア導入で合弁会社/ケサンラ、ARIA-E発現低い新投与法が承認 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2025年8月25日)
更新日
AnswersNews編集部

日本化薬 医薬品のアジア導入で合弁会社、シンガポール企業などと
日本化薬は8月25日、日本とアジアへの医薬品のライセンス導入を目的に、Formiica Pharmaceuticals(シンガポール)、CBC(東京都中央区)の3社で共同出資の合弁会社を設立すると発表した。合弁会社はシンガポールに拠点を置き、他社が開発・保有する医薬品のライセンス導入と、日本を含むアジア・オセアニア各国へのサブライセンスを行う。日本化薬は合弁会社が導入した医薬品について日本での優先的な交渉権を持ち、国内医薬事業の強化と収益確保を狙う。
リリー「ケサンラ」新投与法が承認…ARIA-Eの発現割合低下
日本イーライリリーは8月25日、アルツハイマー病治療薬「ケサンラ点滴静注液」(一般名・ドナネマブ)について、用法用量の変更に関する承認を取得したと発表した。新たな用法用量は、初回350mg、2回目700mg、3回目1050mgを4週間隔で投与したあと、4週ごとに1400mgを投与する。従来は4週ごとに700mgを3回投与したあと1400mgを4週間隔で投与していた。ケサンラを含む抗アミロイドβ抗体では、アミロイド関連画像異常-浮腫/滲出液貯留(ARIA-E)の副作用が問題になるが、投与方法の違いによるARIA-Eの発現割合を調べた臨床試験では、新たな投与法は13.7%、従来の投与法は23.7%で、新投与法のほうが有意に発現割合が低かった。
第一三共「エンハーツ」HER2低発現・超低発現乳がんへの適応拡大承認
第一三共は8月25日、抗HER2抗体薬物複合体(ADC)「エンハーツ点滴静注用」(トラスツズマブ デルクステカン)について、「ホルモン受容体陽性かつHER2低発現または超低発現の手術不能または再発乳がん」への適応拡大が承認されたと発表した。申請は、化学療法未治療のホルモン受容体陽性かつHER2低発現または超低発現の転移性再発乳がんを対象に行ったグローバル臨床第3相(P3)試験の結果に基づく。
「シルガード9」男性への対象拡大など承認
MSDは8月25日、9価HPVワクチン「シルガード9水性懸濁筋注シリンジ」について、▽肛門がん(扁平上皮がん)およびその前駆病変(肛門上皮内腫瘍1、2および3)と男性での尖圭コンジローマの予防の適応追加▽9歳以上の男性への接種対象拡大――の承認を取得したと発表した。男性に接種可能なHPVワクチンは4価の「ガーダシル」のみだったが、今回の承認によって9価ワクチンも接種できるようになる。海外では80以上の国・地域で男性にも公費助成による定期接種が行われており、日本でも厚生労働省の委員会で定期接種化の議論が行われている。
第一三共「ダトロウェイ」中国で承認
第一三共は8月25日、抗TROP2 ADC「ダトロウェイ」(ダトポタマブ デルクステカン)が中国で承認されたと発表した。適応は「内分泌療法および1つ以上の化学療法を受けた、ホルモン受容体(HR)陽性かつHER2陰性の手術不能または転移性乳がん」。第一三共が中国で承認を取得したADCは「エンハーツ」に続いて2剤目。
エーザイ「レケンビ」ドイツとオーストリアで発売
エーザイは8月25日、アルツハイマー病治療薬「レケンビ」(レカネマブ)をオーストリアで同日、ドイツで9月1日に発売すると発表した。欧州連合(EU)加盟国では初の発売となる。同薬は欧州で今年4月に承認を取得。販売は、特定の医薬品について患者の安全を確保しつつ医薬品の適正使用を促進するために使用や流通を制限する制度「Controlled Access Program」のもとで行われ、治療開始は欧州委員会の要件に従って中央登録システムを通じて行う必要がある。
参天、緑内障・高眼圧症治療薬「セタネオ」承認
参天製薬は8月25日、緑内障・高眼圧症治療薬「セタネオ点眼液」(セペタプロスト)が承認されたと発表した。同薬はFP受容体とEP3受容体に作用する二環式プロスタグランジン誘導体で、小野薬品工業が創製。2つの受容体に結合、刺激することで房水流出を促進し、眼圧降下作用を示すと考えられている。国内P3試験では、第1選択薬の1つであるラタノプロストに対する非劣性を検証した。
オプジーボとヤーボイの併用療法、MSI-Highの結腸・直腸がんに適応拡大
小野薬品工業とブリストル・マイヤーズスクイブは8月25日、抗PD-1抗体「オプジーボ点滴静注」(ニボルマブ)と抗CTLA-4抗体「ヤーボイ点滴静注液」(イピリムマブ)の併用療法について、「治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん」への適応拡大の承認を取得したと発表した。結腸・直腸がんに対しては、2020年にオプジーボ単剤、オプジーボとヤーボイの併用療法が「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発のMSI-Highを有する結腸・直腸がん」を対象に承認されている。
アストラゼネカ「カルケンス」マントル細胞リンパ腫への適応拡大承認
アストラゼネカは8月25日、BTK阻害薬「カルケンス錠」(アカラブルチニブマレイン酸塩水和物)について、マントル細胞リンパ腫への適応拡大が承認されたと発表した。承認は、未治療と再発・難治性のマントル細胞リンパ腫を対象にそれぞれ行った臨床試験の結果に基づく。同薬は2021年に再発または難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の適応で承認され、22年に未治療患者に対象を拡大した。
アレクシオン「コセルゴ」成人に適応拡大
アレクシオンファーマは8月25日、神経線維腫症1型の叢状神経線維腫治療薬「コセルゴカプセル」(セルメチニブ硫酸塩)について、成人に対する用法用量追加の承認を取得したと発表した。同疾患の成人に対する治療薬は国内初。日本では2022年に小児を対象に承認されている。
旭化成ファーマ「ドプテレット」持続性・慢性免疫性血小板減少症への適応拡大承認
旭化成ファーマは8月25日、トロンボポエチン受容体作動薬「ドプテレット錠」(アバトロンボパグマレイン酸塩)について、持続性および慢性免疫性血小板減少症への適応拡大が承認されたと発表した。国内では2023年に「待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善」の適応で承認された。旭化成ファーマはスウェディッシュ・オーファン・バイオビトラム・ジャパン(Sobiジャパン)と同薬の国内での独占的販売契約を結んでいる。
大塚メディカルデバイス、超音波式腎デナベーションシステムが承認
大塚メディカルデバイスは8月25日、治療抵抗性高血圧症を対象とする超音波式腎デナベーションシステム「Paradise」の承認を取得したと発表した。腎デナベーションシステムの承認は国内初。各主腎動脈周辺の交感神経に1回あたり7秒間の超音波照射を2~3回行い、腎交感神経の過活動を抑制することで血圧を下げる。承認は欧米で行われた臨床試験の結果に基づく。同試験は利尿薬を含む3種類の降圧剤の服用下で行い、シャム群と比較して割付2カ月後の日中自由行動下収縮期血圧を有意に低下した。




 
				


 
					 
					 
					 
					 
								 
								
 
											 
											 
											 
											 
											



