
中外 浮間事業所に新研究棟、中分子などの製法開発機能強化へ
中外製薬は7月24日、浮間事業所(東京都北区)に新たな研究棟を建設すると発表した。医薬品の製法開発機能を強化・拡充し、中分子や抗体エンジニアリング技術を活用した抗体医薬をはじめとする製法開発の難度の高いプロジェクトの速やかな臨床入りと開発加速を目指す。総投資額は800億円で、完成予定は2028年8月。新棟では製法開発に関わる多機能間のコミュニケーションを活性化するオフィス設計を採用し、研究効率を高めるラボオートメーションの活用にも取り組む。中外の奥田修CEOは「中分子では、構造や物性の共通性を活かして効率的に製法を開発できるプラットフォームの構築を進める」としている。
アムジェン、ベバシズマブBSを販売中止へ…第一三共から1日に承継
アムジェンは7月24日、抗VEGF抗体「アバスチン」(ベバシズマブ)のバイオシミラー(BS)「ベバシズマブBS点滴静注『アムジェン』」について、25年11月の出荷分をもって販売を中止すると発表した。経過措置期間は同月から26年3月末まで。同剤は、19年にバイオシミラーの商業化で提携していた第一三共を通じて発売。同契約に基づき今月1日にアムジェンが製造販売承認を承継し、現在は同社が販売活動を行っている。販売に関するこれまでの検討や経緯を踏まえ、販売中止に向けた対応を進めることを決めた。
ドラッグ・ロス解消へ、IQVIAとがん研有明病院が戦略提携
IQVIAサービシーズジャパンとがん研究会有明病院は7月24日、がん領域での治験実施の促進とドラッグ・ロスの解消に向け、戦略的提携契約を結んだと発表した。がん研有明病院は、IQVIAの治験サイトのネットワークにプライムサイト(高度なケイパビリティと高い実績を持つ医療機関)として参加。両者でそれぞれの専門性や知識、経験を活かした効率的な治験実施を目指す。がん研有明病院は、「グローバルCRO大手のIQVIAとの提携により、国内未承認の医薬品を手掛ける海外の振興バイオ医薬品企業との連携を深め、新薬の開発により一層携わっていきたい」としている。
ノーベルファーマ「メラトベル錠小児用」発売
ノーベルファーマは7月24日、メラトニン受容体作動性入眠改善薬「メラトベル錠小児用」を発売したと発表した。適応は、「小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善」。従来は顆粒製剤が承認されていたが、一部の味覚・触覚過敏を有する小児患者で服薬拒否の要因となることがあるという。
ニプロ、ALS向け再生医療「STR03」のP2開始
ニプロは7月24日、ヒト自己骨髄由来間葉系幹細胞「STR03」について、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を適応症とする臨床第2相(P2)試験を開始したと発表した。「STR03」は、ニプロと札幌医科大が共同開発した自己骨髄由来の間葉系幹細胞製品。神経保護作用や神経栄養作用、血液脊髄関門の安定化などを示し、ALSの進行を抑制すると期待される。試験は106例を対象に行い、安全性と有効性を評価する。
興和「グラアルファ」マレーシアで承認
興和は7月24日、緑内障・高眼圧症治療薬「グラアルファ配合点眼液」(一般名・リパスジル塩酸塩水和物/ブリモニジン酒石酸塩)について、マレーシアで開放隅角緑内障・高眼圧症の適応で承認されたと発表した。同薬は世界初のRhoキナーゼ阻害薬とアドレナリンα2受容体作動薬の配合点眼薬。日本では22年から販売されており、海外では今月10日にタイで発売。興和は今後も東南アジアを中心に海外での展開を検討するとしている。
決算
中外製薬(2025年1~6月期、7月24日発表)
▽売上収益5785億円(前年同期比4.6%増)▽営業利益2733億円(5.9%増)▽中間利益1944億円(4.4%増)――。新製品の抗がん剤「フェスゴ」や発作性夜間ヘモグロビン尿症治療薬「ピアスカイ」、主力の眼科用VEGF/Ang-2阻害薬「バビースモ」などが伸びたほか、ロシュ向けの抗IL-6受容体抗体「アクテムラ」の輸出が増加したことで増収増益となった。25年12月期の業績予想は、売上収益1兆1900億円(1.7%増)、コア営業利益5700億円(2.5%増)を据え置いた。




 
				


 
					 
					 
								 
								
 
											 
											 
											 
											 
											


