
2024年に世界で最も売れた医療用医薬品はデンマーク・ノボノルディスクの糖尿病治療薬「オゼンピック」だったことが、米IQVIAのまとめで分かりました。2位はがん免疫療法薬「キイトルーダ」、3位は抗凝固薬「エリキュース」。前年トップの自己免疫疾患治療薬「ヒュミラ」は4位に後退し、2016年の統計公表開始から守り続けてきた首位の座を明け渡しました。
オゼンピック458.78億ドル
IQVIAが発表した世界の医薬品市場に関する統計によると、2024年に世界で最も売り上げの大きかった医療用医薬品はノボノルディスクの糖尿病治療薬「オゼンピック」。売上高は前年比25.4%増の458億7800万ドル(1ドル=151円換算で6兆9276億円)で、前年2位から順位を上げました。

2位は338億800万ドル(前年比17.0%増、約5兆1050億円)を売り上げたがん免疫療法薬「キイトルーダ」(米メルク)で、3位は315億2300万ドル(15.9%増、約4兆7600億円)の抗凝固薬「エリキュース」(米ブリストル・マイヤーズスクイブ/米ファイザー)。いずれも前年から1ランクアップしました。
4位の自己免疫疾患治療薬「ヒュミラ」(米アッヴィ)は、バイオシミラー参入の影響を受け23.1%減の286億9200万ドル(約4兆3325億円)となり、前年首位からランクダウン。5位となった米イーライリリーの糖尿病治療薬「マンジャロ」は92.0%増の253億1600万ドル(約3兆8227億円)を売り上げ、前年10位から一気に順位を上げました。
ウゴービ 初のトップ20入り
上位20製品で前年からの伸びが最も大きかったのは、ノボの肥満症治療薬「ウゴービ」。売上高は94.9%増の154億800万ドル(約2兆3266億円)で、前年のトップ20圏外から11位にランクインしました。アッヴィの自己免疫疾患治療薬「スキリージ」(60.8%増)や同「リンヴォック」(57.3%増)も大きく伸び、リンヴォックは初のトップ20入り。仏サノフィ/米リジェネロンの同「デュピクセント」、独ベーリンガーインゲルハイム/リリーの糖尿病治療薬「ジャディアンス」、スイス・ノバルティスの乾癬治療薬「コセンティクス」なども20%を超える伸びとなりました。
売上高が100億ドルを超えたのは17製品で、前年から2製品増加しました。

世界市場は9.1%増の1.61兆ドルに
24年の世界市場は前年から9.1%拡大して1兆6125億ドル(243兆4931億円)に達しました。

疾患領域・薬効別に見てみると、最大市場のがんは2520億ドル(約38兆472億円)で15.6%増。2位は11.6%増の免疫(1997億ドル、約30兆1500億円)、3位は6.5%増の糖尿病(1899億ドル、約28兆6755億円)で、前年から2位と3位が入れ替わりました。
がんと免疫のほかに2桁以上の増加となったのは、12位のその他循環器(11.0%増)、15位の抗肥満薬(134.0%増)、18位の脂質調整薬(15.9%増)。抗肥満薬は初めて上位20薬効に入りました。一方、呼吸器系、抗菌薬、多発性硬化症は前年を下回りました。
企業ランキング アッヴィが2年連続首位
医療用医薬品と一部のOTC医薬品を合わせた企業ごとの製品売上高では、アッヴィが前年に続いてトップ。売上高は884億7800万ドル(約13兆3602億円)で、前年から2.9%増加しました。
2位は米ジョンソン・エンド・ジョンソン(827億8800万ドル、7.0%増)、3位はノボノルディスク(781億7400万ドル、12.9%増)。4位リリー、5位ブリストル、6位メルクまで前年から順位に変動はありませんでした。日本からは唯一、武田薬品工業が16位にランクイン。売上高は2.1%減でしたが、前年と同じ順位をキープしました。





 
				


 
					 
					 
								 
								
 
											 
											 
											 
											 
											



