
(写真:ロイター)
[ワシントン ロイター]ドナルド・トランプ米大統領は4月2日、輸入医薬品に原則100%の関税を課すと発表した。
米国内での製造を約束した製薬企業には20%の軽減税率を適用する。後発医薬品は関税が免除される。米国政府は昨年、大手製薬企業と価格引き下げや米国への投資と引き換えに一定期間、関税を免除する協定を結んだ。今回発動される医薬品関税では、中小企業についても独自の協定を結ぶか、生産を米国に移さない限り関税の対象となる。
米国が発動する医薬品関税のポイントは以下の通り。
・米国は、国内で製造されておらず、価格協定の対象となっていない特許医薬品に100%の関税を課す。
・発動には、大手製薬企業は120日間、中小企業は180日間の猶予を設ける。
・米国に生産を移転する企業には20%の軽減税率が適用される。米国に生産を移転し、政府と最恵国待遇価格協定を結んだ企業は関税が免除される。
・EU(欧州連合)、日本、韓国、スイスで製造された医薬品については、既存の貿易協定に基づいて関税が15%に引き下げられる。
・後発品は少なくとも1年間は関税が免除される。米FDA(食品医薬品局)によると、米国で販売されている医薬品の90%以上は後発品が占めている。
・希少疾病用医薬品、動物用医薬品、その他の特殊な医薬品は、貿易協定国からのものであるか、緊急の公衆衛生上のニーズを満たす場合は、関税が免除される。
トランプ氏はこれまで、最恵国待遇価格の導入を通じ、製薬企業に対して米国内の価格を他の高所得国と同水準まで引き下げるよう圧力をかけてきた。ファイザーやイーライリリーなど大手製薬企業は昨年、価格引き下げや米国への投資と引き換えに関税が免除される協定に合意した。しかし、米国研究製薬工業協会(PhRMA)の加盟企業の約半数を含む多くの製薬企業はまだ協定に署名していない。
業界筋によると、中小の製薬企業は政府と個別の交渉を求めている。業界団体Midsized Biotech Alliance of America(MBAA)は「今回の措置は、すでにトランプ政権と最恵国待遇価格協定を結んでいる大企業だけが恩恵を受ける『不公平な二層構造の免除制度』を生み出すおそれがある」と批判。MBAAのアランナ・テムズ会長は声明で「中堅製薬企業は、関税による急激なコスト増を吸収できるような多様なポートフォリオを持っていない」と述べた。
(取材:Ahmed Aboulenein/Ryan Jones、編集:Caroline Humer/Daniel Wallis/Will Dunham/David Gregorio、翻訳:AnswersNews)




