
塩野義、田辺ファーマからALS薬エダラボン事業買収…約3940億円
塩野義製薬は12月22日、田辺ファーマから筋委縮性側索硬化症などの治療薬であるエダラボンの事業を買収すると発表した。日米を含むグローバルでのすべての権利を獲得し、対価として25億ドル(約3940億円)を支払うほか、一定の条件を満たした場合には売り上げに応じたロイヤリティを支払う。米国では田辺ファーマがエダラボンに関する事業会社を2025年度中に設立し、これを塩野義が来年4月1日以降に完全子会社化。米国以外の地域については今後、販売移管や承認承継の時期を検討する。塩野義は買収を通じ、感染症とともに力を入れる「QOL疾患」のポートフォリオを拡充。エダラボンは年間1000億円以上を売り上げており、収益貢献も期待する。田辺ファーマは売却を通じて財務基盤を強化し、日本への投資を促進する。
塩野義、新規作用機序のうつ病治療薬「ザズベイ」承認
塩野義製薬は12月22日、うつ病治療薬「ザズベイカプセル」(一般名・ズラノロン)の承認を取得したと発表した。GABAA受容体ポジティブアロステリックモジュレーターと呼ばれる新規作用機序の薬剤。国内臨床第3相(P3)試験では、1日1回14日間の投与で有効性・安全性が確認されており、再投与する場合は6週間以上の間隔をあける必要がある。
インサイト「ミンジュビ」「ジニイズ」2新薬の承認取得
インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパンは12月22日、抗CD19抗体「ミンジュビ点滴静注」(タファシタマブ)と抗PD-1抗体「ジニイズ点滴静注」(レチファンリンマブ)の2つの新薬の承認を取得したと発表した。ミンジュビの適応は、再発または難治性の濾胞性リンパ腫で、リツキシマブ、レナリドミドと併用。ジニイズは切除不能な進行・再発の肛門管扁平上皮がんを対象に、カルボプラチン、パクリタキセルと併用する。
リリー、国内初の経口SERD「イムルリオ」承認
日本イーライリリーは12月22日、抗がん剤「イムルリオ錠」(イムルネストラントトシル酸塩)の承認を取得したと発表した。国内初の経口SERD(選択的エストロゲン受容体分解薬)で、適応は「内分泌療法後に増悪したESR1遺伝子変異を有するホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がん」。1日1回投与する。
参天、眼瞼下垂治療薬「アップニークミニ」承認
参天製薬は12月22日、後天性眼瞼下垂治療薬「アップニークミニ点眼液」(オキシメタゾリン塩酸塩)の承認を取得したと発表した。上眼瞼の挙上にかかわる筋組織のうち、ミュラー筋のα受容体に作用して収縮させ、上眼瞼を挙上させる。後天性眼瞼下垂に対する治療薬は国内初。
クリニジェン、母乳強化剤「プリミーフォート」承認
クリニジェンは12月22日、人乳由来母乳強化剤「プリミーフォート経腸用液」の承認を取得したと発表した。適応は「極低出生体重児等の体重増加不全を呈する新生児および乳児の栄養管理」。極低出生体重児らの栄養管理を目的とした人乳由来母乳強化剤の医薬品としての承認は国内初。開発元の米プロラクタ・バイオサイエンスと共同開発した。医薬品としての承認は世界初で、米国では栄養食品として販売されている。
GSK、喘息・副鼻腔炎治療薬「エキシデンサー」の承認取得
グラクソ・スミスクラインは12月22日、抗IL-5抗体「エキシデンサー皮下注」(デペモキマブ)について、気管支喘息と鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の2つの適応で承認を取得したと発表した。26週間に1回投与の長時間作用型の製剤。気管支喘息は、既存治療でもコントロールできない重症や難治の患者が対象となる。
ヤンセン、ライブリバントの皮下注製剤「リブロファズ」承認
ヤンセンファーマは12月22日、非小細胞肺がん治療薬「ライブリバント」の皮下注製剤「リブロファズ配合皮下注」(アミバンタマブ/ボルヒアルロニダーゼ アルファ)の承認を取得したと発表した。適応は「EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」と「EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」。ライブリバントはEGFRとMETを標的とする二重特異性抗体の点滴静注製剤で、日本では2024年9月に承認された。リブロファズは、ボルヒアルロニダーゼ アルファを配合することで皮下注化を実現。投与時間は数時間から数分に短縮され、インフュージョンリアクションの発現率も大幅に低下した。
科研、国内販売権持つHAE薬「エクテリー」が承認
科研製薬は12月22日、国内販売権を持つ遺伝性血管性浮腫(HAE)治療薬「エクテリー錠」(セベトラルスタット)について、開発元のカルビスタが承認を取得したと発表した。同薬は血漿カリクレイン阻害薬。科研は今年4月にカルビスタと日本での独占的な商業化に関するライセンス契約を結んだ。
日本新薬「エルゾンリス」の承認取得
日本新薬は12月22日、芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)治療薬「エルゾンリス点滴静注」(タグラキソフスプ)の承認を取得したと発表した。BPDCN細胞に過剰発現するCD123を標的とした薬剤で、タンパク質合成を阻害してアポトーシスを誘導する。日本新薬は2021年にイタリアのメナリーニ・グループから同薬を導入し、国内で開発を進めてきた。
キッセイ、子宮筋腫治療薬「イセルティ」の承認取得
キッセイ薬品工業は12月22日、子宮筋腫治療薬「イセルティ錠」(リンザゴリクスコリン)の承認を取得したと発表した。自社創製のGnRHアンタゴニスト。子宮内膜症の適応でもP3試験を行っている。
オーファンパシフィック、尿素サイクル異常症治療薬「ラヴィクティ」承認
オーファンパシフィックは12月22日、尿素サイクル異常症治療薬「ラヴィクティ内用液」(フェニル酪酸グリセロール)が承認されたと発表した。フェニル酪酸のプロドラッグで、味やにおいがほとんどないのが特徴。すでに販売されている「ブフェニール錠/顆粒」(フェニル酪酸ナトリウム)と同等の用量が必要な場合でも、実際の服用量を少なくできるほか、ナトリウムを含まないためナトリウム制限のある患者にも使用できる。
PTCセラピューティクス、フェニルケトン尿症薬「セピエンス」承認
PTCセラピューティクスは12月22日、フェニルケトン尿症治療薬「セピエンス顆粒」(セピアプテリン)の承認を取得したと発表した。フェニルアラニン水酸化酵素の補酵素であるBH4の天然前駆体で、血中フェニルアラニン濃度を低下させる作用を持つ。
千寿製薬、ドライアイ薬「アバレプト」の承認取得
千寿製薬は12月22日、ドライアイ治療薬「アバレプト懸濁性点眼液」(モツギバトレプ)の承認を取得したと発表した。持田製薬が創製したTRPV1拮抗作用を持つ薬剤で、TRPV1を阻害することでドライアイに伴う自覚症状と他覚所見を改善すると考えられている。
サノフィ「デュピクセント」気管支喘息で6~11歳の小児適応取得
サノフィは12月22日、抗IL-4/13抗体「デュピクセント」(デュピルマブ)について、6~11歳の小児の気管支喘息の適応を取得したと発表した。既存治療でコントロールできない重症・難治の患者が対象。気管支喘息では、成人と12歳以上の小児を対象に2019年に承認を取得している。
バイエル「ケレンディア」慢性心不全への適応拡大承認
バイエル薬品は12月22日、非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬「ケレンディア錠」(フィネレノン)について、慢性心不全への適応拡大の承認を取得したと発表した。承認は、左室駆出率40%以上の患者を対象に行った国際共同P3試験の結果に基づく。同薬は、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病を対象に2022年3月に国内で承認を取得している。
ヤンセン、肺動脈性肺高血圧症薬「オプスミット」小児適応を取得
ヤンセンファーマは12月22日、肺動脈性肺高血圧症治療薬「オプスミット」(マシテンタン)について、小児用の製剤と用法・用量の承認を取得したと発表した。承認されたのは、小児用分散錠1.0mg、同2.5mgと生後3カ月以上の患者に対する用法・用量、同10mgの体重50kg以上の患者に対する用法・用量。国内では成人の肺動脈性肺高血圧症を対象に2015年に承認された。
中外「テセントリク」胸腺がんへの適応拡大承認
中外製薬は12月22日、抗PD-L1抗体「テセントリク点滴静注」(アテゾリズマブ)について、切除不能な胸腺がんへの適応拡大の承認を取得したと発表した。承認は、1次治療としてテセントリク、カルボプラチン、パクリタキセルの併用療法を評価した医師主導の国内P2試験の結果に基づく。
武田薬品「アジンマ」小児適応が承認
武田薬品工業は12月22日、先天性血栓性血小板減少性紫斑病治療薬「アジンマ静注用1500」(アパダムターゼ アルファ/シナキサダムターゼ アルファ)について、12歳未満の小児への適応拡大が承認されたと発表した。国内ではこれまで12歳以上の患者が対象だった。同薬は遺伝子組換えヒトADAMTS13製剤で、定期補充療法と急性増悪時の一時補充療法に使用できる。





