バイエル、アイリーアBSの製造・販売差し止め求め仮処分申し立て/東邦HD、CVCファンド設立 など|製薬業界きょうのニュースまとめ読み(2025年11月12日)
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AnswersNews編集部

(写真:ロイター)
バイエル、アイリーアBSの製造・販売差し止め求め仮処分申し立て
バイエル薬品は11月12日、眼科用VEGF阻害薬「アイリーア」(一般名・アフリベルセプト)の特許を侵害しているとして、富士製薬工業にバイオシミラーの製造・販売などの差し止めを求める仮処分を大阪地裁に申し立てたと発表した。アイリーアは米リジェネロン・ファーマシューティカルズと独バイエルが共同開発。バイエル薬品は、富士製薬のバイオシミラーがリジェネロンが保有する特許権に抵触するとしている。富士製薬のバイオシミラーは12日に薬価収載。同社は11日、提携先の日東メディックの準備が整い次第、販売を開始すると発表した。
東邦HD、CVCファンド設立
東邦ホールディングス(HD)は11月12日、ベンチャーキャピタルのグローバル・ブレイン(東京都渋谷区)と共同でCVCファンド「TOHO Ventures」を設立したと発表した。運用総額は100億円、運用期間は10年間。創薬・バイオテクノロジー領域や医療DXを中心に、主に海外のスタートアップに投資し、東邦HDの医薬品流通ネットワークなどを活用して投資先の事業化を支援する。
ベーリンガー、経口HER2阻害薬「ヘルネクシオス」発売
日本ベーリンガーインゲルハイムは11月12日、経口HER2阻害薬「ヘルネクシオス錠」(ゾンゲルチニブ)を発売したと発表した。適応は「がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」。HER2陽性非小細胞肺がんでは国内初の経口分子標的薬となる。承認の根拠となった臨床第1相(P1)試験では71%の客観的奏効率が示された。薬価は60mg1錠1万3881.90円。ピーク時に30億円の販売を見込む。
ヤンセン、全身型重症筋無力症治療薬「アイマービー」発売
ヤンセンファーマは11月12日、全身型重症筋無力症治療薬「アイマービー点滴静注」(ニポカリマブ)を発売したと発表した。FcRnを阻害して免疫グロブリンGを減少させる抗体医薬で、成人と12歳以上の小児が対象。小児も対象としたFcRn阻害薬は初。P3試験では、標準療法との併用で標準療法に比べて日常生活動作総スコアを有意に改善した。薬価は300mg1.62mL1瓶49万1823円、1200mg6.5mL1瓶196万7291円、ピーク時に208億円の販売を予測している。
日本化薬、肺がん治療薬「イブトロジー」発売
日本化薬は11月12日、抗がん剤「イブトロジーカプセル」(タレトレクチニブアジピン酸塩)を発売したと発表した。ROS1阻害薬で、適応は「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」。現在は米ニュベーション・バイオ傘下となったアンハート・セラピューティクス(中国)から2023年に日本での販売・流通のライセンスを取得した。薬価は200mg1カプセル9711.20円で、ピーク時の販売予測は21億円。
塩野義「ゾフルーザ」の顆粒剤発売
塩野義製薬は11月12日、抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ」(バロキサビル マルボキシル)の顆粒製剤を発売したと発表した。従来は錠剤のみだった。顆粒剤の追加により体重10kg未満の小児の治療にも使用できるようになった。薬価は2%500mg1包1666.20円。ピーク時に15億円の売り上げを見込んでいる。
MeijiSeikaファルマ、国がんとmRNAワクチン応用のがん治療共同研究
MeijiSeikaファルマは11月12日、国立がん研究センターと、mRNAワクチンを使った固形がんに対する新規治療法の共同研究を始めたと発表した。共同研究先の同センター研究所の研究では、mRNAワクチンを使って誘導した免疫応答をがん治療に応用することでマウスの腫瘍が縮小することを見出した。両者はこのアプローチをもとにレプリコンワクチンを使ったがん治療薬の開発を目指す。
東邦HD、東海と東北に新物流拠点
東邦HDは11月12日、東海、東北の両エリアに新たな物流拠点を構築すると発表した。東海エリアで構築する「TBC東海」(愛知県小牧市)は、総額約50億円を投資し、2027年2月の完成、27年度中稼働開始を予定。医療用医薬品や再生医療等製品など2万5000品目を扱う。東北エリアでは仙台市に拠点新設を構想。26年中の着工を予定している。
決算
日本化薬(ライフサイエンス、2025年4~9月期)
▽売上高330億6000万円(前年同期比8.4%増)▽セグメント利益53億1600万円(48.1%増)――。バイオシミラーが45.6%増の73億円と好調で、後発医薬品の抗がん剤も3.8%増の111億円と堅調。販管費の減少も大幅増益に寄与した。26年3月期の業績予想は、売上高713億円(従来予想比2億円増)、営業利益93億円(14億円増)に上方修正した。
東邦HD(2025年4~9月期)
▽売上高7678億9900万円(前期比1.7%増)▽営業利益72億5800万円(1.7%減)▽経常利益83億2900万円(3.1%減)▽純利益62億4400万円(16.0%増)――。医薬品卸売事業は売上高7391億6500万円(1.4%増)、営業利益73億4900万円(8.2%減)だった。26年3月期の業績予想は、従来の売上高1兆5720億円(3.5%増)、営業利益207億円(9.3%増)を据え置いた。





