製造やメディカルで採用ニーズ堅調…MRはスポット求人中心｜製薬業界 今月の転職求人動向レポート（2025年9月）

製薬業界の求人動向を、業界専門の転職支援サービス「Answers」「MRBiZ」（運営元：株式会社クイック）の専任コンサルタントが、領域ごとに毎月レポートします。

求人件数は増加

2025年9月の製薬業界の求人件数は、全体的に前月から増加しました。

職種別に見ると、前月から増加したのは「CS/CL（クリニカルサイエンス/クリニカルリード）」（前月比29％増）や「MA」（14％増）、「コマーシャルエクセレンス」（11%増）など。一方、減少となったのは「基礎研究」「CRA」（いずれも8%減）や「MR（プライマリー）」（7％減）などでした。

[研究]求人件数は全体的に横ばい

研究職の転職市場は、前月に引き続き全体的に落ち着いています。バイオベンチャーの求人が堅調に推移している一方、メーカーは一部企業のスポット募集があるだけで、採用ニーズは全体として縮小気味。来月以降も同様の傾向が続きそうです。

（研究職解説・藤本哲平）

[開発]CRA、外資系メーカーでスポット募集

CS/CL（クリニカルサイエンス/クリニカルリード）は前月比29％増となりましたが、前月の減少の反動とみられます。市場は堅調ですが、体感としては数字よりもゆるやかに推移している印象です。9%増となった開発薬事は売り手市場が続いています。

CRAは8％減となったものの、外資製薬企業からもたびたびスポットの募集が出ています。こうした求人は母集団形成が早く進む傾向にあるので、求人動向をこまめに抑えておくことが大切です。

（開発職解説・盛喜文也）

[製造]後発品大手や受託企業中心にニーズは高水準

製造職の求人件数は全体的に増加しました。大手後発医薬品メーカーやCMO・CDMOで募集が堅調なのに加え、これまで採用が鈍化していた新薬メーカーでも一部企業の募集が活発化しており、市場の活気は増しています。

（製造職解説・田尻将之）

[MR]スペシャリティ、希少疾患中心に募集

スペシャリティ領域の求人件数は前月比4%増となりました。ただし、希少疾患を中心にピンポイントの募集は出ているものの、採用人数は限られており、昨年の同時期に比べると市場は落ち着いています。一方、CSOでは積極採用が続いています。

（MR解説・北川翔一）

[メディカル]MSL中心に新規求人増加

メディカル職へのニーズは引き続き高水準。組織拡大や社内異動に伴う補充など、各社それぞれの背景で募集が行われています。直近はMA・MSLとも新規の求人が増えており、市場の動きは活発です。

[コマーシャル]コマーシャルエクセレンス、外資企業中心に募集増

プロダクト・ブランドマネージャーは4%減となりましたが、採用の充足で募集を終えた求人が重なったためで、希少疾患領域を中心に新規求人も出てきています。11％増のコマーシャルエクセレンスは募集が増加。昨年のピーク時には及ばないものの、コマーシャルの転職市場には活気が戻りつつあります。

（メディカル/コマーシャル解説・盛喜文也）

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